福祉タクシー・介護タクシー開業予定者には本音をお伝えしたい。安易な思考でビジネスをスタートするべきでないと。

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先日、介護タクシーを開業されたいとのご相談があり、セッションを行ってまいりました。

ここ、沖縄でも介護タクシー事業者は微増の傾向にあり、傍目から捉えられるそのビジネススタイルは

  • 移動困難者(障がい者・要支援・要介護者・内部障害(透析患者)など)へサービスを提供し、喜ばれ、やりがいがあるだろう

  • ますます顕著になる高齢者増加や、10年前に比べ、障がい者の社会参加が整いつつある中で外出への移動手段の一つとして福祉タクシービジネスはアリだろう

  • 公務員・事務職としてデスクワークも終え、等身大での社会貢献も出来て福祉にも関わりのある介護タクシー運送業はセカンドビジネスとしてうってつけだろう

として映っているようで、昨今の起業ブームや独立へのあこがれも手伝って福祉タクシー・介護タクシー開業者は全国的に増加しております。

しかしながら。

開業に向けて準備を進めている方、

今、事業認可申請中にある方も改めて問いたいのです。

そんなに儲からないビジネスですがそれでもやりますか?

あー、言っちゃいましたね。(笑)

まぁ、イイんです、これが現実ですし本音でもあるので。

開業予定者は事前にネット検索で情報を仕入れたりするようですが、現在も、「○○をすれば儲かる!」「低リスクで開業、すぐに売り上げを上げる方法!!」

「介護タクシーで○○か月で100万円達成!」というガセ情報が跋扈しているようで。

それに惑わされる方も中にはいらっしゃるのでしょう。

それにしても、まだあるんですね、あのサイト

ファーストビューにあのようなキャッチコピーぶちかまして大丈夫なんでしょうか。

まぁ、あのライティングをよく読めば月収100万達成とは訴えていないんですよね。(プロフィール欄には継続的に月収100万前後を上げています と、書かれていますがw 

論理が矛盾しています。

とはいえ、アタシは秒速で100万稼ぐけど?

とはいえ、アタシは秒速で100万稼ぐけど?

例えば、毎月の売り上げが平均10万だったとして

10か月で100万達成!!

と謳える事が出来ます。そのようなニュアンスで表記されています。パッと見て、月収100万が可能かのような訴求性をもたらしていますが、かみ砕けば、

月収10万×10か月=100万という個人事業ビジネスならなんて事ない売り上げをインターネット上で高らかに伝えているとも取れますね。

開業志望者
おい!

月収100万円可能だって言ったじゃないか!!プンプン!

と、突っ込まれたら、

自称100万マン
はぁ?よく読んでくださいよ、誰でも100万可能だとは書いてませんよ

と、しらを切るおつもりでしょう。

まぁ、自分が選択し決断した事が上手くいかなくて人に八つ当たりする時点でだめんずですし、ダメウーマンですが(ちえみの画像使いたい衝動)

日本語独特の表現や言い回しは、特に、気を付けましょう。

仮に月収100万が達成できたとして、月の稼働日数を30日として、一日当たり¥33,333をコンスタントに叩き出さないと成り立たないわけなんですよね。

それって、無理なんですよね、ハッキリ言って。

よーく考えてください、

毎日毎日安定して¥33,333が稼ぎ出せるでしょうか。無理です。我々の仕事は流しのタクシーのように効率よく回転しません。お客様は自分の力で乗り物に乗る事が困難な方たちです。効率を重視するとお客様は即、離れます。間違いありません。

毎日毎日一定数の顧客に選ばれ続けるのでしょうか。無理です。お客様の都合と貴方のスケジュールが合わなくて他業者に依頼する事はざらにあります。

突っ込んで言えば、

30日ノンストップ無休で働き続けたいのでしょうか。無理です。

旅客を運んで対価を頂く運送業者は適切なタイミングで身体を休めなければ、お客様の安全を保障できませんし。ましてや、我々のお仕事は、運転プラス身体介助を提供しなければなりません。

一般タクシードライバーとは違った疲労感が蓄積します。それ以上に、充実感も得られますけれどねー。

介護保険介護タクシーでそれが可能なんじゃないの?

介護保険介護タクシーの旨味でもある(かのようにサイト上で発信されている)

利用者1割負担!!同じサービスなら安い方がお客様に支持され続ける!!

も、巧妙なカラクリがあります。

介護保険タクシーで利用者側の1割負担が許されている部分は、乗降介助であり、運賃には適用されません。

んで、乗降介助が認められる条件にもいくつかあります。

  • 通院利用で自宅から病院・受付手続きまでの移動や乗り降りの介助(ゆえに乗降介助と呼ばれる)等に要した時間 ※退院・入院・転院はダメ
  • 選挙の投票・市町村役場利用でのタクシー乗降・移動・手続きに要した時間
  • 銀行・郵便局での預貯金引出しに関わるタクシー乗降・受付手続きに要した時間

であり、これも、担当ケアマネから承認を得られなければ介護保険が適用されず、そもそも、介護保険適用を受けるために法人(会社)を立ち上げなければならないのですよ。

個人事業開業届のようにA4用紙一枚税務署に届けて「保険適用!!」じゃなくて、

メンドクサイ書類を法務局に提出しなければ法人(会社)として認めてもらえないですから。

認めてもらえないなら介護報酬を受け取れませんので。

40歳以上の社会人から徴収される介護保険料や国民で支えあって運営されている財源から、乗降介助の適用を受けるには

  • 個人事業ではなく、法人でないとダメ
  • ケアマネとのケアプラン作成やサービス利用に関する書類作成の手間・厳格な審査基準をしっかりクリアする必要がある
  • 提供したサービス日から2か月後に支払われる介護報酬キャッシュフローの淀みを理解しなければならない

これらを考えると、

そんな簡単に物事うまく運びませんけど、それでもやる?

というのが私個人の見識なのですが。

これらを理解したうえで開業したいですか?

上記以外にも業界特有の難しさや現実は色々あるのですが、何も、志ある介護タクシー開業者の熱を奪いたいがために述べたわけではないんです。ただ、現実は知っておくべきで、これらを理解したうえでそれでもやりたい!という情熱ある方こそ、是非、取り組んでいただきたいんですね。そんな熱量がある方こそ、壁にぶつかっても簡単にあきらめないでしょうし、試行錯誤を重ねる事に意欲的で、それがお客様に選ばれ続けるファクターになるはずです。

ビジネスモデル自体の収益率も10%以下で、キャンセルもざらにあり、日々、お仕事を頂ける事の難解さを痛感するも、やはり、移動困難者の支えとなれている縁の下の力持ち的役割にある我々のお仕事はやりがいだらけです(笑)

これに収益率の向上が加われば何も言う事はありません。まぁ、他の収益源を構築すればいいだけなんですけど。それに向けてコツコツ種をまいている最中です、ワタクシ。

  • 自らの裁量で事業展開が図れる
  • 自分自身がサービス商品でありお客様に選ばれる続ける為の試行錯誤が時に楽しい
  • 当然の事ながらお金は好きなように使える
  • 会社員務めには味わえなかった自由があり、それに伴う責任を深堀出来る

これこそが起業した旨味であり、独立した意義でもあります。

考えすぎてもビジネスはスタートしませんが、

薄っぺらい情報に惑わされず、しっかり考えたうえで開業を決断なさってくださいね。

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花城 健

合同会社 代表社員兼 介護タクシーめぐり運転手  1978年 沖縄県・金武町生まれ   旅行をあきらめる障がい者・歩行に不安のある高齢者へ沖縄観光の成功を一緒に考え、現地ならではの情報提供を行い、ゆったり・ゆっくりの小旅行を企画する日本で数少ない駆け込み寺型の福祉・介護タクシードライバーでもある。 良質な情報に触れ・多少の不便を受け入れ・体験したいコトを明確にすれば、障がい者高齢者の旅行は必ず叶えられると確信しています。 THE  YELLOW MONKEYをこよなく愛す。 趣味・三線 読書 一人カラオケ ジムニ―イジり 落語・歌舞伎鑑賞 ウィングスーツ滑空妄想 資格: ヘルパー2級・視覚障害、身体障害者ガイドヘルパー・認知症サポーター・実務者研修(痰吸引・経管栄養)・手話3級・運行管理者(旅客)  実績事業: 障がい者外出の移動支援事業、高齢者通院支援事業を自治体より委託契約 身体障がい者福祉協会・会員の福祉向上送迎事業受託 発達障がい児通学送迎事業受託
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