私は半袖を着たかっただけなのだ。

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体育の授業がいつも嫌だった。

教室の中で、私服から体操着へ着替えるその手順・動作そのものに

嫌悪感を覚えたものだ。

下から脱ぐのか、上から脱ぐのか、

最初に取り掛かる順番はどうでもいいのだが、

どちらにせよ、

衣服が肌に触れる・擦れるというのは私にとっては

地獄であった。

その素材が綿・ポリエステル・レーヨン・麻だろうが

嫌なものは嫌なのだ。

そのうえ、着替える、、という事は体の可動域を動作させねばならない

悪魔の所業であった。

ねじる、上げる、しゃがむ、立ち上がる、ひねる、伸ばす、

それらの動きの組み合わせで、衣服の着替えは達成される。

私よりも数分早く着替えを終えた友人達は、足早に運動場へと

駆け出していった。

何てことないように、その着替えという偉業をいとも簡単に成し遂げてしまう

友人達を羨望の眼差しで私は見つめていた。

体操着の長袖ってないのかな。

いつも考えていた。

それさえあれば、少しは楽しく振る舞えるウソがつけるのに。

欲を言えば、長ズボンも欲しかった。

膝裏の可動域には違和感の産物が貼りついており、

いつも私の屈伸と二足歩行を邪魔していたからだ。

見た目にも、そして、動きにくさという部分でも

お前は邪魔だてするのか。

せめて、衣類でその違和感を隠したかった。

こんな恥ずかしいモノ見られてたまるか。

そんな事を体育の授業のたびに考えていた。

いつか、

あいつらのように普通に着替えが出来るのかな。

半袖を着る事に恥ずかしさを感じなくなるのかな。

半袖の体操着で、笑顔で、身体を動かしてみたいな。

私が

半袖を普通に着れる喜びを得るまでには、

それから10年を経過しなければならないのだった。

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花城 健

合同会社 代表社員兼 介護タクシーめぐり運転手  1978年 沖縄県・金武町生まれ   旅行をあきらめる障がい者・歩行に不安のある高齢者へ沖縄観光の成功を一緒に考え、現地ならではの情報提供を行い、ゆったり・ゆっくりの小旅行を企画する日本で数少ない駆け込み寺型の福祉・介護タクシードライバーでもある。 良質な情報に触れ・多少の不便を受け入れ・体験したいコトを明確にすれば、障がい者高齢者の旅行は必ず叶えられると確信しています。 THE  YELLOW MONKEYをこよなく愛す。 趣味・三線 読書 一人カラオケ ジムニ―イジり 落語・歌舞伎鑑賞 ウィングスーツ滑空妄想 資格: ヘルパー2級・視覚障害、身体障害者ガイドヘルパー・認知症サポーター・実務者研修(痰吸引・経管栄養)・手話3級・運行管理者(旅客)  実績事業: 障がい者外出の移動支援事業、高齢者通院支援事業を自治体より委託契約 身体障がい者福祉協会・会員の福祉向上送迎事業受託 発達障がい児通学送迎事業受託
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