2018アビリンピック競技参加の前に、お客様は弊社ウェブサイトをご覧になっており、一本の電話を下さいました。
お断りする理由は1ミクロンもございませんで、しかし、当日朝は土砂降りの雨。
雨でも楽しめるバリアフリー沖縄観光となると一気に選択肢が狭められます。競技場の那覇市周辺で回れる観光地のリストアップや当日開催のイベント情報をかき集め、那覇市へ向かう最中、奇跡的に太陽が顔をのぞかせました。
お電話で伺った限りでは、首里城へは行ってみたいけれどもスロープの傾斜が一人ではキツイ・ましてや土砂降りの雨では観光する事は厳しいだろう…との事だったのですが、そういったサポートをお求めの方にこそ介護タクシードライバーをご利用頂きたいのです(笑)
雨上がりの首里城
事前リサーチ情報では、当日は、首里城祭「古式行列」が執り行われていたようでお客様に見て頂きたかったのですが、時すでに遅し。
お客様お迎え時間とイベント終了のタイミングが重なり合う悲劇でした。
しかしながら、事前リサーチで無料観覧の古典舞踊開催を調べておりましたので、お客様をご案内する事に相成りました。
そのイベント開催場所の「系図座・用物座」へ向かうには、守礼の門をくぐって車いすルートのスロープを登らねばなりません。

右側はスロープというよりも傾斜がキツイ坂である。注意されたし。

とはいえ、専用スロープルートも介助者が居なければ移動は厳しい。
タイミングよく舞踊がスタートしました。

王府の家系図その他資料を保管・管理していた「系図座・用物座」にて

私のスマホスペックの16倍はあるだろう高スペックキャメラで舞踊を待ち構えるの図

スローなテンポが特徴の古典舞踊。
キレッキレのダンスに独自のエンターテインメント要素を盛り込み、抜群の歌唱力で世界中のシンガーに影響を与えた故・マイケルジャクソン氏なら何を感じるのでしょうか、アレを叫ぶのでしょうか。

他の車椅子ユーザーも結構見られました。インバウンド観光客の熱中ぶりからも関心の高さを伺えましたね。
古典舞踊鑑賞もそこそこに、首里城正殿前でパシャリ。

撮影当時2018年11月。翌月には正殿外壁漆塗り工事終了後の煌びやかな正殿が拝めそうです。
正殿横のスロープを登って、薩摩役人を接待・もてなしたと言われる南殿をくまなく巡りました。

王府の上級役人がリフトの操作も行ってくlれます。

祭事を司った女中がエレベーター操作も軽やかに演出してくれます。
車いすユーザーの誘導に慣れた首里城スタッフが、やや食い気味で声かけを行ってくれます。
車いすユーザー発見 → 音速で声かけ
琉球国王からプログラミングされてるやもしれません(笑)

フォトジェニックスポット「御差床(うさすか)」
お客様は首里城内外のバリアフリー環境に感嘆の声を漏らしておりました。
世界遺産とバリアフリーの共生は至難の業です。
雰囲気を損ね過ぎずに、移動にハンデを抱えた障がい者高齢者でも琉球・沖縄の文化を堪能できる配慮と整備は、観光経済で生きていく沖縄に不可欠な要素ですね。

上級役人がリフト操作を行ってくれます(2回目)
メインディッシュの正殿内観光を終え、リフトで下った先には、首里城限定のお土産と冊封儀式・再現ジオラマが好評の北殿へとチェックイン。
尚、こちら北殿も昇降リフト完備でお土産コーナーにアクセスできます。
心優しきお客様は、気品漂う琉球漆器の一輪挿しをお母様へのプレゼントとして購入なさっていました。

おお!個人的にツボった首里城限定品

琉球の伝統衣装「紅型(びんがた)」を彷彿とさせるビビッドイエローが素敵で無敵
彩がとてもきれいです。

裏には栓抜き要らずのジャストフィット型にくり抜かれています。
さて、ようやっとブログタイトルのミステイクをお知らせするタイミングになるのですが、首里城観覧を終えた後、次なる目的地をお客様にお伺いすると、「テレビで見た夜景の綺麗な観光地に行ってみたい」 「那覇市に近い」 「飛行機が近くに見える」
このキーワードを聞いた後、私の中で「あぁ、ウミカジテラスの事だな…」と決め込み、お客様に確認も取らずに介護タクシーを走らせたのです。
夕方の渋滞ラッシュも重なりゆるりと目的地へ向かう最中、急に不安が押し寄せたのです。
あの場所とはこちら
ウミカジテラスへあと10分以内という信号待ちのタイミングで
この時も、お客様に正式な場所名を確認する事なく、私の勝手な思い込みで波の上うみそら公園と決定づけ、Uターン。
しかし!!
又もや不安が押し寄せてきたのです。何かがモヤモヤする、うみそら公園も間違ってるんじゃないか?
信号待ちの段階で再びお客様に確認。今度はスマホ音声機能を活用して画像での確認も行ってもらうと、
やっぱりウミカジテラスやないかい!!
ウミカジテラスで当たってたさぁね!!
お客様との情報共有・認識共有を怠った私の驕りが招いたプロドライバーとしてあるまじき失態、恥ずべき愚行。
30~40分ものタイムロスを要してしまい、ホテル着予定時間を大幅に過ぎてしまった不手際に対してお詫びするのは当然の事、
売上に対しても厳罰を処さねばなりません。
しかしながら、私の不手際(タイムロス)が結果として〝もう一つのウミカジテラス〟をお見せできる時間帯となったのです。
闇夜に映えるウミカジテラスのシャンデリア
真夏の青空に映えるウミカジテラスの〝白〟とのコントラストが、欧州のバケーションを匂わせる気がしないでもないこちらの人気観光地も、漆黒の夜に訪れてみると、ライトアップされた独特の雰囲気が自然とワクワク感を演出してくれます。
知ってた?ウミカジテラスは何気にバリアフリー対応になっている事を
クリアな青空下でこそ映えるウミカジテラスですが、夜もおススメですね。
時折、お笑い芸人やアーティストを招いてのイベントも行われますし、これからの季節であればクリスマスイルミネーションが訪れる観光客をもてなしてくれることでしょう。
しかしながら、懐深きお客様だからこそ今回の失態を受け止めて下さったようなものの、気を引き締めているようでどこかに気の緩みが生まれていたわけで、
長年そのビジネスに携わり続けているからこそ無意識化で生まれる怠慢傲慢は正さねばならないと、さすらいの車椅子お客様とのショート沖縄観光から教えて頂きました。