介護タクシーという事業では顧客の8割強が車椅子ユーザーであり、弊社の福祉車両も最大で車椅子2台同時乗車を可能とするトヨタ・80ヴォクシーを愛用している。
燃費・操舵性・乗降快適性などのトータルバランスに優れたメイドインTOYOTAの福祉車両は、T-Value(ティーバリュー)という第三者評価制度に則ったブランド制度を活用する事で中古車購買に伴う不安を安心に替える手厚い保証制度が整えられている。
実際、弊社福祉車両も現物確認をする事なく、T-Valueブランド付帯である事・ディーラー担当者の誠実な対応を総合的に勘案して東京からの購入を決めた。不安も勿論あったが、サイト掲示が示すとおりの外装内装評価で購入後の満足感は確かなものであった。
そんな経緯のある介護タクシーめぐり福祉車両も、車椅子ユーザー以外の高齢者や障がい者お客様への更なる乗降利便性を図るべく、思い切ってモデリスタの後付けカスタマイズパーツ「ステッパルS」と乗降口ハンドレール(運転席側・助手席側)取付を決断し、部品発注・取り付けを行ってもらおうと関係先へ働きかけたのだが、
これが結構かなりメンドクサイ手順を踏まないと整備着手に至らない体制になっていて、顧客から見れば何でそんなに待たされなければならないの?という不満がどうしても出てしまうんですよ。
ディーラーは福祉車両業界の知識見識に疎いとしか思えない
少なくとも私の経験の中で、である。
これは沖縄だけのエピソードなのだろうか。
先ほど述べたモデリスタの後付けカスタマイズパーツの発注と取り付けをどうするべきか考えた所、ヴォクシー車両の販売・メンテナンスを行うネッツトヨタに尋ねた方が良いだろうと思いスタッフに伺うと
『こちらで発注も可能なのですがそのような特殊な部品は共販部という所で注文を承っていますので、お客様自身で直接連絡された方が早いかと思います。部品の取り付けはこちらでも可能ですので』
「ん?」
と一瞬疑問がわくのだが、思い立ったら即実現に向けて働きかけたい・動きたいと思う方なので「その方が早いかと思います」というアドバイスを基にトヨタ沖縄部品共販部へ。
因みに部品共販部はディーラーや整備工場・ガソリンスタンド・部品卸屋などにニーズの部品を供給する大元の組織である。
因みに弊社介護タクシー車両は購入時 車椅子1脚仕様だったものを、独自のリサーチを図って部品共販部からシートベルト装置を購入し、車椅子2脚仕様に生まれ変わらせたというドヤ顔の経緯がある事を惜しげもなく付け加えておく。
さて、
部品共販部・窓口で「モデリスタのステッパルSと乗降口ハンドレールを注文して取り付けもお願いしたいのですが」と、こちらの車検証提示も合わせながら問い合わせてみると、パソコンとにらめっこしながらあたふたする様を1時間近く観察する羽目になった。どう見てもモデリスタのパーツ検索が出来ていない。
いやいや、「モデリスタ・ステッパルS・乗降口ハンドレール」とキーワード打ち込めばいいじゃないか、それだけの話でしょ(笑)
次第にイライラが募ってくるのだが、こちらもアポなしで訪問しているため多少の待ち時間はしょうがないと自分自身を鎮めるメディテーションに入った(笑)
やっとこさ発注部品の相互確認を行い、現物が沖縄に到着するまで2週間近くとの知らせを受けた。
その通りに後付けパーツが届いた。

助手席側スライドドア開閉と連動して入出するモデリスタ・ステッパルS補助ステップ

スライドアからの乗降を助ける乗降口ハンドレール 運転席側・助手席側(ボルトはグリップ部塗装を容易にするために仮に付けたもの)
共販部併設のディーラー・メンテナンス工場での取付工事日程を2週間後に設定して、私は工事日前日にタクシー車両を預け、翌日の午後17時受け取りを心待ちにしていた。
工事日当日のお昼過ぎ、フェリーいえしまの船上に佇む私の携帯に、ディーラーから電話がかかってきた。
「おお、意外に早く取付出来たんだ…」とワクワクしていたものの、その回答は、
『すいません、モデリスタの後付けパーツには特殊工具が必要みたいで、本日取り付ける事が出来ませんでした…』
『今までにやった事のないものですから、、、初めて取り組むもので……』
『後日、下請け業者との調整を図って再工事日のお願いをしたいのですが…』

【ポップナット】という特殊な部品をボディに埋め込み・カシメ作業を行う事で取り付け強度を保ちます。
おいおい、嘘だろ。
工具がなくて取り付けられなかったってそんな事があるのか。
介護タクシー事業で例えるなら、ストレッチャー搬送依頼を承ったにも関わらず、病室で待ち構えるお客様本人・ご家族・看護師の目の前で「すいません、ストレッチャーを準備していなくて……」といっているようなものだ。依頼側からすれば笑わせないでくれよ、お前何しに来たの?という話だろう。
「この後どうなるんですか?」と尋ねると『下請け業者と調整を図って再度こちらから連絡します』とコールを受けたのはそれから4日後だったか。
『特殊工具取り寄せとの兼ね合いもあって2週間あとになりますが如何でしょうか……』
これ以上の我慢が出来なかった。
部品代のみ支払いを済ませ、そこでの取り付けを諦め、モデリスタパーツ設置工事を行ってくれる関係先を改めてリサーチせねばならない羽目に。
ディーラーとカスタマイズパーツ会社との関係性って連携取れてないですよね?
ディーラーに対して突っ込みどころはこんな所だ。
- モデリスタパーツ取り付けにあたって初めての挑戦なら下請け業者と密に確認し合ったのか?(特殊工具必要の有無・実績も含めて)
- モデリスタH.Pサイトの該当ページをくまなくチェックしたのか読み込んだのか?
- 不明な点・疑問点が湧いたならモデリスタに事前に問い合わせなかったのか?
- 部品発注から取り付け工事日までのおよそ1か月間強、ぼーっと待ってただけか?
そもそも、モデリスタっていうグループ会社の存在を知っていませんよね?っていうツッコミを入れたくなってしまうスタッフの対応ぶりだったもんで。
リンク先サイトをご覧になればわかると思うが、「後付けカスタマイズパーツは全国のトヨタ販売店で購入できます」としっかり記載されている。
であるなら、読み手(顧客)は、ディーラーに相談すれば 部品発注→取り付け→受け渡し がスムーズに執り行われると思うじゃないですか。その構築体制が整えられていると思うじゃないですか。
実情はそうじゃなかったわけですな。

外渕のみを缶スプレーで塗装してみた

数十回と吹き付ける事で缶スプレーでも見栄えは良くなる。
この後、いくつかのディーラーを当たったものの、あちらの業者なら特殊工具を持ってると思うのでそちらを紹介しますとか、ウェルキャブステーション(福祉車両取り扱いを専門とする相談員がいる・障がい者専用駐車場・多目的トイレ完備・店内バリアフリー化)を訪ねるとそちらのヴォクシーは取り扱い車種ではないので、、とネッツトヨタを紹介されたりとか。。。。。
まぁ、たらい回したらい回したらい回しのサマーソルトキックを浴びるわけだ(←知ってる?)
この一件でモデリスタ本社とハートフルプラザ福岡店からお詫びの電話が来る羽目になりましたからね(笑)
ああ、私自身がモデリスタに直接電話したんだっけ?
「沖縄県内でモデリスタ後付けカスタマイズパーツ取り付け実績のある整備事業者を紹介してください」って。
ああ、そういや特殊工具・ポップナットツールを販売している会社にも電話して
「沖縄県内で御社の特殊工具を卸している代理店はどちらですか?」とも聞いたっけ。
まぁ、その後、ネッツトヨタの女性スタッフが親身に対応下さって福祉パーツ取り付け実績のある下請け業者を紹介して頂き、そちらで何とか落ち着きそうな感じだけれど(とはいえ、弊社営業所から45㌔も離れてるけどな!!ww)
このような経緯があり、部品発注から今現在(2018年6月初旬)に至るまで2か月間を要していながら取り付け工事にも着手していない状況を鑑みて、
「特別な福祉パーツだからそれくらい待つんじゃないの?」という突っ込みもありそうだし、
「まぁ、いい経験だったんじゃないの?」という一言で片づけられそうな気がしないでもないわけだが、
ホームページサイトやディーラー店内設置のパンフレット資料に後付けカスタマイズパーツの利便性を謳っている以上、車両購入後も所有環境の変化に合わせて適切なカスタマイズパーツ取り付けで快適で安心な外出が楽しめますよ、と謳っている以上、
顧客の混乱や手間を招く事の無いよう、相互の連携体制を密に構築してほしいと思うのです。
伝えたい事は以上です。
沖縄県から介護タクシーめぐりがお届けしました。