煙草をこよなく愛していた。
最後の煙草はキャプテンブラック。
そこら辺の販売機には設置されていなく
節目節目の仏壇へのお供え物にはその煙草をくれてやろうと
販売機を訪れるも
タスポカードがなければ買う事すら許されないと気づき、
その販売機設置店舗前で
買い物を終えて出てきた人々を捕まえては
「すいません、タスポカード貸していただけませんか?」
確か、15人目でカード所持者にたどり着きようやく購入を終え、
感慨深く仏壇へ備えた事は懐かしき思い出なのです。
物心ついたときは漁師(うみんちゅ)で朝早くから出かけて
夕方に、時に、夜遅くに戻ってくる生活。
その時代、モズク養殖でバリバリ稼いでいたようで
養殖網の掃除を手伝え、と小学生時代ジェットポンプを両手で握りしめ
その貧相な身体が右に左に揺らされる様を、
親父はへらへら笑いながら煙草をくゆらせていたっけ。
家族サービス、、、なんて今ほど叫ばれていない時代。
悪い事をすれば、様々な職種
(大工・工場労働・世界を飛び回るクルーザーの整備士・昔のヤンチャ)で鍛え上げられた
そのごっつい拳でどつきまわす厳格な親父は
今でいうイクメンパパなんて生易しいものではありませんで。
あんまり、褒めてもらった記憶がないなぁ。
帰宅して家にいる親父は、当時のナイター中継を欠かさず見ており、
根っからの巨人ファン。
その影響もあり、ワタシも小学生時代はにわか巨人ファンだったっけ。
友人と共にモズク養殖に携わっていた親父は
時々友人を連れてダイビングスーツを着ながらベランダに腰かけ、
「たけし!!コーヒー2つ作りなさい。」
はぁ?
何でよ?
なんて口を聞こうものなら鉄拳制裁が飛んでくるため
3等兵のワタシは
幕僚長の命令には絶対服従なのです。
そのコーヒーを飲んで仕事の話を友人と語り合っている親父の背中。
広く、たくましく、間違いなく頼れる親父でした。
何でも器用にこなす親父でした。
料理と電気関係以外は(笑)
親父シリーズ、これから小出しにしていきます。
どうぞ、よろしく。(笑)