30日経過しても、のどの痛みや味覚障害や強い倦怠感も起こらなかったので、事後報告であります。
私、沖縄独自の緊急事態宣言が発出された翌日に、和歌山県へ渡り高野山で2泊3日の山籠もりをしておりました(ちょっとちがう)。
なぜ高野山へ出かけたかといえば、テンポよく歯に衣着せぬ情報発信で人々の価値観をゆさぶる旅人が、
いや~、高野山はいいですよ
私は仏教を信仰しているわけでもないですが、空海の教えが素晴らしいんですよね~
と、仰っていて、なんだか心と耳に残っておりまして。
そこで次回の旅は、高野山と決めておりました。
高野山でもインドでもセルビアでもモンテネグロでも、「いつか行けたらな~」と思うものですが、
「いつか行けたらな」は、行く覚悟がない証左でありまして、覚悟のない人生時間を過ごし続けるのもハリがなくて楽しくないのですね。
リスクを一切負いたくないのなら、引きこもるのが一番です。
親父が急に亡くなってからというもの、「親孝行したいときに親はなし」を痛感しました。いきなり居なくなっちゃうんですよ、隣の大切な人って。
なので、年齢のわりに足腰しっかりしている母親を一緒に連れて行こうと声を掛けたら
テレビ局の意向によって選抜された専門家と、左下のカンペをちらちら見ながらさも自分の意見のようにまくしたてるコメンテーター達の不安をあおる発言に侵された私の母親は、勇気を振り絞って親孝行しようとする私の想いを、いとも簡単に東シナ海へと背負い投げしたのでした(笑)
テレビの影響力はあなどれないもので、連日のように「感染者〇〇名!」「20代でも死者!!」「大切な人を守るために外出自粛をお願いします!」と報じられると、これが真実・正解かのように思えてきます。国民洗脳マシーンは昭和から令和にかけて健在ぶりを発揮中です。
高野山へ旅立つ前日に、玉城デニー知事から発出された沖縄県緊急事態宣言をテレビで目の当たりにした私は、
やばい…このタイミングで那覇空港から出ると非国民扱いされるかも…
万が一、本土で感染したら帰ってこれなくなるのかな、沖縄県民に迷惑かけるのかな…
と、怖気づいたんですね(苦笑)
統計データ上では、コロナウィルスは季節性インフルエンザよりも致死率が低いにも関わらず。
諸外国に比べ重傷者・死亡者が圧倒的に少ないにも関わらず。
火災・交通事故・餅をのどに詰まらせるなどの不慮の事故で毎年数千人亡くなっているにも関わらず。
怖気づいても振り込んだお金は全額返ってこないので、貧乏性の私は60秒悩んだ後に高野山行きを決断したわけであります。
旅や観光がもたらす非日常は日常を生きるために
数年前から私の価値観はリニューアルされています。
それは、
- いままで選ばなかったオプションサービスを試してみる
- 先入観が強い未体験商品/サービスを試してみる
- コスパよりも高付加価値をにおわせるサービスを試してみる
「新世界への突入精神」と申しましょうか。
いやー、旅はいいものですね。
日常から非日常への入り口となる空港に足を踏み入れた瞬間にワクワクするじゃないですか。
そりゃあ、ビールも美味いってもんです(3杯呑んじまった…)。
みんな大好き桃尻航空へ追加料金¥1,800払うとどのような快適が手に入るのか、試してみないことにはわかりません。
身銭をきることで腹におちる感覚が手に入ります。
コロナ渦中もあって、飛行機・電車はガラガラでした。
いつもは賑わいを魅せる観光地や空間が、人っ子一人いない様子を目の当たりにすると、「ふぅ、快適にまわれて気持ちいいな」思うと同時に、
「なんか寂しいな」とも思うわけです。
そこで商いを営む人々の浮かれない顔を見れば尚更ってもんです。
沖縄独自の緊急事態宣言がレベル3まで引き上げられた時には、福岡・大阪・東京・愛知の4都府県が3ケタの感染者を確認しており、引きつづき不要不急の外出自粛を国民に呼びかけている最中でした。
にも関わらず、極楽橋駅は、感染防止策を講じた人々がそれぞれの外出を楽しんでおりました。
これでいいのだ。
バカボンのパパもそう言ってましたよね。
現場に訪れないとわからない肌感覚があります。
テレビは事実を伝えているように装いますが、視聴率を稼ぐためなら事実を捻じ曲げることも厭いません。
テレビが伝えている現場は脚色された〝現場〟なのです。
しかし、このケーブルカーがすごかった。
極楽橋駅から高野山駅までの高低差328メートルをグイグイ登っていく体験は沖縄では成しえない。
旅の醍醐味とは、生まれ育った故郷にはない、文化・歴史が体験できることなのです。
ゆるやかなカーブを登っていくときに駆動ワイヤーが滑車のうえでビュンビュン暴れるときの興奮といったら!!
ケーブルカーと駅の構造上、車椅子ユーザーは運転席前方かぶりつきで乗車することが厳しいので、せめて共有できればと思って動画に残しておきました。
ワイヤーの暴れっぷりもあわせてご覧ください。
※動画編集下手すぎてBGM音量うるさいです、微調整お願いします(笑)
観光の楽しみは、その土地の歴史や風土で醸成されてきた「食」も外せません。
肉肉しさをいっさい感じさせない精進料理の美味さと言ったら腰が抜けるほどの感動(日本語おかしい)。
願い事を護摩木に記すと、お坊さんが無私の心で毎朝祈祷を行ってくれます。
この臨場感がすごい!
動画も撮りましたが、ページ読み込み速度が遅くなるので勘弁してください(苦笑)。
ちなみに恵光院さんは毎朝Facebookライブで護摩祈祷ファイヤーの様子を流しています。フォロー必須ですね。
改めて思うことですが、ネット掲載画像よりも、ユーチューブ動画なんかよりも、
現場に訪れ、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚で感じる体験にはぜったい敵わないのです。
20万基のお墓があるのに、恐ろしさもいやらしさも不吉な予感すらも感じない奥之院での散歩は、高野山を愛するガイドさんの奥深い知識があってこそ理解が深まり、観光の充実度を底上げしてくれます。
ガイドをつけずに、ネットで調べた知識を仕入れて現地に訪れるもよし、なんですが、
その土地に根差してその土地で生活してその土地の歴史や文化を探求し続けるガイドが放つ言葉ひとつひとつが、心にすーっと入るのですね。
ウィキペディアの知識とガイドの知識は同じようで違う
私はそう思っています。
その土地を愛している人なら尚更です。

弘法大師・空海
今回の旅の目的・弘法大師/空海さまに出逢えました。
国籍・身分・宗派を問わずこの地で安らかに眠ることを受け入れ続ける弘法大師の懐の深さは、マリアナ海溝を超越してマントル突破もそろそろといったところでしょうか。
興味深かったのは、戦国武将や歌舞伎役者や英霊や企業のお墓もあることでした。

明智光秀のお墓を説明する安川てる子さんは英語もあやつるスーパーガイドさんです

初代・市川團十郎の供養塔
フォリックスFR15ローション[ミノキシジル15%]で薄毛をごまかし続けている私は、きたるウィッグ使用に備えて、某社のお墓に深々と頭を垂れたのでした…
タクシーで通り過ぎる観光ドライブの醍醐味は、バスにも電車にも成しえないピンポイントアクセスで効率よく現場を回れることにあります。
しかし、
ピンポイントアクセスで現場にたどり着けたら「その土地を理解した」わけではありません。
タクシーから降りて、歩いて、急かされずに焦らずに五感で体感するから観光が充実するのです。
コスパ信仰もほどほどにしないと大切な瞬間を逃してしまいますよね。
沖縄では仏教がそれほど根付いておりません。
おじいちゃんおばあちゃんや曽祖父から命のリレーを受け継いできた事実を大切にする「祖先崇拝」が沖縄県民に馴染むのですね。
こうやって沖縄県から出てみて、仏教の教えにもとづいた建築様式に触れると、中国と日本のいいとこどりした琉球王府の本丸・首里城は素晴らしかったんだよなぁとセンチメンタルに浸るのでした。
車椅子ユーザーの乗降瞬間に立ち会うことができました。
素早く乗降スロープを設置する高野山駅・若手駅員さんのホスピタリティに私、ちょっぴり感動しました。
とはいえ、「感動しているようじゃ」真のユニバーサル社会とは言えないんですよね。
障害を抱えたとしても、日本国内で移動の権利が約束され・自立した外出が出来る そんな社会をつくらなければなりません。
電車越しから見る田園風景の美しさに感動しながら帰路についたのでした。
観光に携わる人こそ旅をしなければならない
そんな予感がして高野山への旅を決意したわけなんですけど、その予感に間違いはなかったですね。
2泊3日 高野山の新鮮な空気を味わい尽くすように歩いて、ガイドさんからの奥深い知識をまなべてその土地で大切にされている食も堪能できた。
沖縄に閉じこもっていては体験できなかったことばかりです。
車社会の沖縄では、無意識の意識で通り過ぎるような観光が主になっています。
限られた日数と時間で人気の観光地をなるべく沢山まわる…そんな観光です。
健常者よりも気軽に外出できない障害者にとってみれば、「この地に訪れるのは今回が最後かもしれない…」そう考えて、後悔しないように行きたいところ全てを回りたい そんな思いに駆られるのかもしれません。
もちろん、そのような観光の在り方も応援すべく、お客様の想いをヒアリングしてオーダーメイドする観光タクシーも提供しているのですが、
沖縄生まれ沖縄育ちの介護タクシー乗務員がワガママにプランニングした新しい観光の在り方も提供してみたいのですね。
それがこちら
あせらない・急がない・通り過ぎない21キロ専用沖縄観光介護タクシー
今回の高野山への旅がヒントとなりました、そして、コロナ禍だからこそ生まれた新サービスです。
このようなワガママ観光プランが、はたして沖縄の魅力を再発見するカギとなるのか?
お客様ご負担なしのモニターを9月22日まで・沖縄県内外から随時募集しています。お気軽にお問合せくださいね。
順次、南部・中部エリアごとのコースも増やしていきますので、ウェブサイトチェックをお見逃しなくー。
新型コロナという未知のウィルスと半年以上、共に過ごしてきた私たちは、外出自粛の行為自体がウィルスを消滅させているわけでもなく、むしろ人々の心を削り・ストレスを溜め・経済をころす結果を目の当たりにしています。
withコロナとは、ウィルスをシャットアウトするために神経をすり減らすことじゃなくて、
妥協点を見出して潤いのある生活を取り戻すことのはずです。
外出をおそれずに旅や観光を楽しみ、その土地の文化と歴史を学び、食を味わい、人々と触れ合いましょう。
弘法大師こと空海は荒み切った日本を憂いて、そう説いているはずなのです。