沖縄県にはグスクと呼ばれる世界遺産が5つあります。
今帰仁グスク
座喜味グスク
中城グスク
首里城
今回取り上げるうるま市・勝連にある勝連グスクには調べてみると、それはそれは一人の女性の人生模様がすさまじいなと思わせる歴史がつづられていたので、ブログにて発信したいと思います。
愛しているから、ではない。そこに彼女の意思は必要なかった。
百度踏揚(ももとのふみあがり)と呼ばれたその女性は、琉球国王第6代尚 泰久王の娘でした。
尚泰久が琉球列島を治めているとはいっても、各地にはその地位を狙う力を持った按司(あじ)が手ぐすねを引いて伺っているまさに戦乱の時。
因みに、上記画像の手前まで車いすユーザーは車両を乗り入れることが出来ます。
一度、インフォメーションセンターに車両乗り入れの許可を得てからにしましょう。
さて、当時、このグスクは阿麻和利(あまわり)という力を持った按司が治めており、首里城を治めていた尚 泰久王はいつ首里を狙われるかとびくびくしていました。
そこで、勢いづく阿麻和利を手なづける意味あいでも自分の娘の百度踏揚を嫁がせます。
『まぁ、まぁ、この美人の娘やるから落ち着いてぇなぁ』
というような。(笑)
そこに百度踏揚が阿麻和利に対して抱いている感情は、全く考慮されないんですね。
沖縄に限らず、日本でも世界でも政権を握っている権力者のある種、道具のように女性は取り扱われたわけで。
対して現代は、女性は恋愛やらお見合いやら婚活やらを通して、自分のタイプや意思によって生涯の伴侶を選ぶ権利は与えられているわけです。。
昔が良かったんでしょうか。
今が良かったんでしょうか。
私には分かりませんが。
阿麻和利は百度踏揚と結婚しても琉球王国を狙う気持ちは絶えることなく、どうにか奪い取れないかと作戦を練ります。
その時、中城グスクの城主・護佐丸は尚 泰久に忠誠を誓っており、その主従関係を逆手に取った阿麻和利は、護佐丸が実は国王の立場を狙っていると尚 泰久をそそのかします。
しかし、しかし、
ここで一言言わせてください!!
実は護佐丸の娘は尚 泰久の奥さんなんです。
つまり、二人は親戚関係。
なのに尚 泰久は自分の地位が惜しいから、自分の娘を阿麻和利に嫁がせる。
はっきり言って阿麻和利と護佐丸は敵対関係。
護佐丸にしてみたら孫娘が知らない間に、尚・泰久王の思惑で敵の奥さんに仕向けられたわけで。
こんな複雑な関係、まさにエキサイティングすぎるがな!!!
これまでの経緯は理解できたでしょうか?
護佐丸って尚・泰久にしてみたらお義父さんですよね?その義理の息子の立場の尚・泰久が、お義父さんのお孫さんを阿麻和利と結婚させるんですから。
もう訳が分からんですばい。
さっきの話に戻りますが、阿麻和利にそそのかされた尚・泰久は、自分のお義父さんの護佐丸を殺害。
護佐丸は忠誠心溢れる人柄で尚・泰久に歯向かうことなく自害したそうです。
阿麻和利は豪傑な護佐丸がいなくなったことで尚・泰久を狙いやすくなった。
しかし、しかし!!
百度踏揚のお世話係の鬼大城(うにうふぐしく)こと、大城賢雄は阿麻和利の作戦を事前に知っており、それを尚・泰久に知らせ阿麻和利は琉球王府軍にやっつけられます。
というか、大城賢雄がやっつけます。
その働きを褒められた大城賢雄こと鬼大城は、百度踏揚と結婚することを命じられます。
ここでも彼女の意思は無視ーーーーーーーー!
(恋愛感情を抱いていたかもしれないけど)
どうですか。くっつけられては引き離され。かといっては親父があいつと結婚しろと言うから結婚させられ。
この後も凄まじいお話は続くのですが、話をはしょると、旦那の大城賢雄も 金丸というイケメン野郎に殺されてしまうんですね。
その後、金丸が第2の琉球王国の王様となるわけなのですが。
波乱万丈にもほどがある!!この時代にバツ2と言うのも深みがありまくりの百度踏揚。
大変お疲れさまでした。ニライカナイでゆっくりお休み頂きたいと思いますよ。