数か月前から、もしくは、一年前からワクワクの沖縄観光を計画してきたにも関わらず、当日、雨に降られてガックリ……
障がい者高齢者の皆様は今までにそんな経験ありませんでしたか?
今回ご紹介する内容は、主に車いすユーザー視点に沿った雨がしのげるバリアフリーな観光スポットをご案内します。
障害者・高齢者と外出を共にする福祉タクシードライバーならではの目線で下記の4つに沿って観光地をリサーチしてみました。
その観光地が沖縄の文化/歴史/風習を感じさせる場所である
駐車場/停車地から施設入り口まで5分以内でアクセスできる
基本的にバリアフリー構造で多目的トイレが完備されている
雨がしのげる屋内施設である/アーケード設備が整っている
ハッキリ言いまして、雨の日の沖縄は、青い海も濁り・クリアな青空もグレーに仕上がるという魅力半減のシロモノでございます(苦笑)
しかしながら、ホテルにずーっと引きこもるよりも何とか沖縄の空気を堪能したい、、、という欲求も確実にあることでしょう。そのフラストレーション解消にぜひ活用ください。
今回、沖縄本島を北部エリア・中部エリア・南部エリア 3つに分けて、それぞれの観光地をリサーチしてきました。
尚、全ての観光地は、私が直接足を運び・感じた疑問はスタッフに問い・執筆時点においてクリアな情報提供となるよう心を込めました。
先ずは、沖縄本島の玄関口・那覇空港から近い南部エリアのご紹介です。
※リサーチ日
2018年11月6日~11月17日期間中
※再リサーチ日
2019年1月10日
(昭和の匂い・栄町商店街の〝夜〟と多目的トイレアプローチ先の画像を追加しました)
(国際通り・平和商店街内 多目的トイレ設置施設〝ゆっくる〟画像を追加しました)
2019年3月7日追記
(北部エリア:オリオンハッピーパーク名護工場見学を追記しました)
雨の日でもバリアフリー沖縄観光 南部エリア
糸満市 摩文仁: 平和記念資料館
障がい者専用乗降所は道路をへだてた向かいにあります。
平和記念資料館とは
毎年6月23日慰霊の日には、日本国首相や米国からの要人が世界平和を願うべく平和の丘に足を運ぶこの記念公園内に、赤瓦をあしらった資料館があります。
じっくり回れば1時間から1時間半の所要時間でしょうか。
悲惨な地上戦が行われた惨状を伝える写真・当事者メッセージ・ビデオが展示/上映されています。
貴方はこの資料館展示物から何を感じるのでしょうか。
蛇足ですが、資料館から見える平和の礎に、私の祖父 花城文三郎も刻銘されております。祖父と触れ合った記憶はございませんが。。
糸満市 伊原 ひめゆり平和記念資料館
ひめゆり平和記念資料館の両サイドにこのような無料駐車場があります。資料館入り口までおよそ70~80メートルほど距離がありますが、車椅子用レインコートや大人二人分をカバーするゴルフ傘を活用していそいそと入り口を目指しましょう。
多目的トイレは資料館内にあります。
ひめゆり学徒隊とは
時代の流れに翻弄されたひめゆり女学隊は、学業を学ぶことよりも軍人へのケア(水汲み食糧運搬・負傷兵へ看護ケア・情報伝達・死体埋葬)を最優先され、身を粉にして沖縄に・日本に尽くしました。
その激動が資料館内に展示されています。
館内道中にあるビデオ放映は、当時のむごたらしさを容赦なく伝えています。モノが豊かな戦後に生まれた我々世代は、英霊となった方々すべてに向き合うべく定期的に足を運ぶ必要があるんじゃないか…
そんな気持ちを呼び起こす施設となっています。
1時間ほどあれば館内展示物をくまなく回れるでしょう。
糸満市 福地:琉球ガラス村
ワタクシ、この施設を舐めていました。何度も目の前の通りを往来していたのですが、このような芸術品があるとわ。
駐車場は大型バスが容易にUターン出来るほど広々としています。施設入り口まで車をつけて車いすユーザーの乗降もそれほど苦ではないでしょう。
多目的トイレはガラス工房本館の女性トイレ内にありました。流石にチェックできませんでしたが(笑)
車いすユーザーもオリジナルグラス製作体験
スタッフにも確認しましたが、車いすユーザーでもガラス製作体験は可能だそうです。ただし、上記画像の椅子に移乗出来る事が条件。ヘルパーさんの介助が欲しいですね。
製作体験は
AM9:00~11:30
PM13:30~16:00
の2部構成になっており、作業時間は正味5分との事。出来上がりは3日後で、発送対応してくれるそうです。
琉球ガラスの歴史
戦後、日用品(駄菓子角瓶・牛乳瓶・投薬瓶)でガラス製品の需要も時代の流れで減少、しかし、アメリカ輸入の色付き廃瓶を活用し、ガラス製品としてリリースしてみると、米国へ帰る兵士へのお土産品として大ヒット。その後 輸出展開を図るなかで「Ryukyu」の刻印をガラスに刻んだことから琉球ガラスと名付けられたそうな。
沖縄海洋博覧会をきっかけとして国内観光客からのお土産品としても定着した琉球ガラスは、時代の変化をくみ取った職人らの魂の結晶と独創性あふれる作品の数々が今なお、観光客の関心を引き寄せ続けています。
那覇市 国際通り沿い 平和通り商店街
写真撮影時が観光OFFシーズンの11月だったんでご容赦願いたい(笑
こちらの平和通りは、国際通りの象徴的ビル・ドン・キホーテにも近く、むつみ通りとほぼ平行に整備されています。雨露しのげるこちらのアーケード商店街も、老朽化が進み、取り壊しを余儀なくされているとの声が聞こえております。
突如のスコールが日常的にある沖縄では、一時的に雨をしのぐアーケード商店街はこれからも必須と言えるでしょう。存続に向けて頑張って頂きたいですね。
この平和通りを入って100メートル直進・右側に「ゆっくる」という平和通り紹介の案内所があり、そちらに授乳室・休憩室共に多目的トイレも整備されています。
平和通りの滞在時間はウィンドウショッピング・お買い物・軽食などを踏まえて1時間~2時間といった所でしょう。
全てのお土産品店をくまなく回ればあっという間に半日を費やしますよ(笑)
アクセスに関しては、平和通り入り口の邪魔にならない箇所に一時停止して速やかに車いすユーザー乗降を済ませ、周辺のコインパーキングを利用するしかないです。
※平和通り入り口のビルを紹介しています↓↓↓
こちらも併せて紹介したい!!国際通り案内所
バリアフリー沖縄観光のよろずや的機関:障がい者こうれい者観光案内所は、近くのドン・キホーテビル/5階に位置しており、
- 車いすレンタルしたいけど何処にある?
- 入浴用椅子を現地(沖縄)で借りられるのかな?
- 介護食(きざみ/とろみ)の調理器具ってあるのかな?
このような悩みに応え、それ以外のバリアフリー観光に特化した様々な情報提供をワンストップで行う頼れる相談所です。
沖縄観光でお困りの際は活用なさっては如何でしょうか
※国際通りドン・キホーテビル5階にあります。
※営業時間 年中無休 11:00~18:00
※TEL 098-860-8046
那覇市おもろまち:沖縄県立美術館・博物館(通称おきみゅー)
取材当日(2018年11月16日)、博物館にて「海と島に生きる」と題した沖縄の全てを目の当たりにできるイベントが催されていました。
これが見ごたえ抜群でして、サンゴで出来た島の成り立ち・狩猟から農耕への変化・沖縄だけに住む希少生物・琉球と中国の関係性・沖縄戦とアメリカなどの歴史が網羅的に展示されており、これで¥410なんかい!と一人ツッコミをいれてしまう程に充実しておりまして候。
勿論、公共的建造物ですので、館内に多目的トイレも完備でございます。
沖縄のルーツ、沖縄のアーティスト、琉球国時代の文化が年間を通じて表現されています。
イベント・催し物にもよりますが、滞在時間は1時間~2時間は楽しめると思います。
時折、芸能人が出展するイベントも開催されるのでこまめに公式サイトをチェケラして欲しいですね。
那覇市 栄町商店街
先ほど紹介した平和通り商店街が〝観光地化された沖縄の商店街〟なら、
こちら栄町商店街は〝沖縄県民の日常がぷんぷん漂うオールドスタイル商店街〟。
さびれたシャッターやすり減った路面、大人一人分の通行がやっとの狭い路地をあちこちに確認出来て、活気あふれた商店街の一瞬に垣間見える静寂を感じることが出来ます。
通路幅がやや狭めなので歩行者との往来に気を配る必要がありますが、車いすユーザーの通行に支障はほとんどありません。むしろ、その手狭な感じが、商店街で働く沖縄県民とのふれ合いを後押しするきっかけのような感じを漂わせますね。
栄町商店街 多目的トイレへのアプローチはどうやって?
多目的トイレへのアクセスですが、手作り工房フェニックスさんの店舗内を通り抜ける方がショートカットでした。勿論、店舗スタッフに一声かける必要はありますが(苦笑)。
もう一方の通路だと不規則な段差が3段4段とあるので介助スキルがなければ厳しいでしょうし、もう一方は、通路幅600mmなので物理的にアクセスが不可能でしょう。
あ、そうそう、栄町と言えばこの方々を忘れてはなりません。
栄町の魅力は、日常に感じられる商店街の静寂とそこで働く県民との触れ合いにありますが、夜の栄町もなかなかにクセのある匂いを放っているようでして、大衆酒場やスナックで繰り広げられる笑いや活気や人情に触れてそこに移住を決める方も多いとの事。
沖縄県民とのディープな触れ合いを求めるなら個人的に超おススメの商店街ですね。
ディープナイト 夜の栄町商店街は昭和の匂い
栄町商店街・多目的トイレへのアプローチは
個人的に一番惹かれた店舗外観。
強みと分かりやすさが伝わってきますよね。これは参考になるなぁ。
前回取材時、栄町商店街の職人風おっちゃんが「夜こそ栄町商店街は面白いよ」と言ってた意味が分かりました。
多目的トイレ通路入り口の段差さえ解消されればなぁ、と少し残念に思いました。
まぁ、ぶらっとめぐるだけでも五感はビンビン刺激されますよ。
雨の日でもバリアフリー沖縄観光 中部編
沖縄市胡屋 エイサー会館
赤矢印箇所 → スロープ
黄矢印箇所 → エイサー会館 1階総合案内
緑矢印箇所 → エレベーター
※車いすユーザーのエイサー会館へのアクセスには3つの注意が必要です。
- 有料エリア/2階展示ブース・体験コーナーへは、無料エリア/エイサー会館総合受付で購入後、いったん外に出て、緑矢印部の方向のエレベーターで上がるしかない(会館1階内には階段のみ)
- 当該ビル・立体駐車場2Fから2階エイサー会館/体験展示エリアへ直接アクセスできない構造になっている(4段の階段アリ)ので、エレベータで一旦、1階に降りて総合受付に向かうべし
- 駐車場は当該ビル(ミュージックタウンビル)を活用すべし 有料エリアご利用→3時間無料 無料エリアご利用→1時間無料
まさか、こちらの扉からのアクセスとは(笑) ちぐはぐなバリアフリー構造ですが、致し方ありません。
エイサーとは何ぞや
浄土宗のお坊さん 袋中上人が唱えていた念仏歌という説や、琉球最古の歌謡集「おもろさうし」に ゑさおもろ と記されていた説、踊り手の囃子コトバ〝エイサーエイサー ヒヤルガエイサー〟と謳われることなどから、旧盆に行われる先祖供養の踊りを総称してエイサーと名付けられた、、という説が根強いようです。
日本の代表的祭りに よさこいソーランやだんじり祭りや阿波踊りなどがありますが、毎年9月に行われる沖縄全島エイサー祭りに合わせて世界各国日本各地から来沖されるエイサーファンも多くなりました。
エイサーの在り方も時を経て変わり、新築祝い・結婚式披露宴・店舗開業・施設OPEN・祭りイベントプログラムなど、お祝いの場でも踊られるようになり、沖縄県民の生活と観光経済に密接にかかわる伝統芸能へと昇華されています。
そんなエイサーの歴史に触れて、三線のメロディに触れて踊ったり太鼓を叩いてみたい体験をお望みの方はおススメの場所です。
体験コーナーも含めれば滞在時間は1時間程でしょう。
うるま市前原 うるマルシェ
こちら、2018年11月1日にオープンした施設。
うるま市内外の農家・漁業・食品加工者・販売店が丹精込めた〝食〟を楽しめるテーマパークのような場所です。
駐車場から屋内までノンバリア設備が整っており、多目的トイレももちろん完備。
雨に濡れる事無くうるま市内の特産物や新鮮魚介類、調味料等のお買い物と飲食が1か所で堪能できます。
取材当日、併設されているうるま市民食堂で食事をしたかったのですが、夜の部に向けての準備中でした。
新鮮食材と沖縄県民食が楽しめる食堂に今度足を運んでみようと思います。
「ちょっと美味しいものをつまみ食い・うるま市の特産物をちょっと覗きたい・一期一会の出逢いをちょっと感じてみたい」
そんな方にお勧めの場所です。
雨の日でもバリアフリー沖縄観光 北部編
名護市為又 パイナップルパーク
南国沖縄の北部地方(東村が有名産地)で取れるパイナップルをテーマとした食事・お土産購入・乗り物が楽しめる総合型パーク。
多目的トイレは、出口側から入って右斜め前にあります。
園内は広大な敷地ですので、屋根付きのパイナップルトレインでさらっと快適にめぐるのもよろしいでしょう。
取材した印象ですが、列車最後部はリクライニング車椅子2台を収容する余裕が感じられました。
入り口横の売店コーナーでパイナップルアイスや果汁絞りたての新鮮ジュースを頂きながら、パイナップルに対する知識を音声ガイドにて楽しむ列車での園内周遊。
施設内お土産コーナーには、沖縄産もずくを練りこんだそばを試食できるコーナーも設けられていてショッピングも楽しめるようになっています。
インバウンド観光客でにぎわう観光地の中のTHE観光地ですが、雨天時のパイナップルトレインは一考の価値はあると思います。何より、新鮮パイナップル食品の数々を頂けるのがこのパークの魅力ですからね。
名護市為又 森のガラス館
黄色矢印部方向に、店内へ繋がるスロープがあります。
こちらでは、琉球ガラス製品が300種類以上展示・販売されていて、熟練職人がデザイン製作したオリジナル琉球ガラス作品も楽しめるようになっています。
館内はバリアフリー構造、多目的トイレへ繋がるスロープと床面との間に5センチほどのスキマがありましたが、サポートがあれば、通行にはそれほど支障はきたさないと思います。
館内のガラス製品を眺めるだけでも結構楽しいです。
屋内で楽しめる体験コーナーも「アクセサリー製作・フォトフレーム製作・手作り万華鏡体験・ジェルキャンドル体験」など各種ありますが、なんといっても、オリジナルグラス製作体験が目玉でしょう。
車いすユーザーのガラス製作体験についてお伺いすると、爽やかスマイルのスタッフが丁寧に説明してくれました。
製作体験の開始時間はそれぞれ、
10:00 10:45 13:00 15:30
の4部構成になっています。
その方の身体状況(握力・麻痺状態)に合わせて職人がサポートするそうなので、まずは、トライしてみるのも面白いでしょうね。
オリジナルグラス製作体験ですが、修学旅行団体が入ると個人予約が難しいそうなので、事前に対応可能の是非を電話にて伺った方がいいようです。
名護市 東江(あがりえ)オリオンハッピーパーク工場見学
県内シェアトップを占めるオリオンビールはここ名護市東江の工場で製造されています。
こちらの名護工場ではオリオンビールの歴史と製造過程をガイドさんが分かりやすく伝えてくれる無料工場見学が大人気です。
なにせ、見学終了後に〝超できたて新鮮ドラフト生ビール〟が頂けるのですから(笑)
エレベーター完備で広々とした多目的トイレ内にはオストミーにとって優しい配慮がなされていて、車いすユーザーにとっても快適に工場見学が楽しめるかと思います。
事前予約がおすすめです。
私が取材したブログもご覧いただければ。
無料工場見学の予約ページはこちらからどうぞ。
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雨の日でも楽しめるバリアフリー沖縄観光と題して紹介してきましたが、これからもリサーチ・取材は続け、適時追記修正をかけていきます。
また、貸切観光ドライブ・ショート観光ドライブも承っていますのでお気軽にお問い合わせくださいね。