ブログやガイドブックなどに「車いすでもOK!」と記載されていても、執筆者の主観が強すぎたり介助者目線の情報量が足りなくて外出をためらってしまうことありませんか?
沖縄には世界遺産グスクと呼ばれる魅力的な観光地があり、日本各地・世界各国から観光客が訪れていますが、足元が悪い高齢者や障碍者にとってバリアフリー環境なのかという疑問不安はぬぐえないところでしょう。
世界遺産とバリアフリーの共存は難易度高い宿題ですし、どこまですり合わせていくかという課題もあります。
今回のブログは以下のポイントに沿って書いてみました。
車いすの介助に慣れていない方がどこまでアクセスできるのか
車いす介助に慣れていない方が気を付けるべきバリアとは
多目的/車いすトイレはどこにあるのか
この3点です。
ぜひ参考にしてみてください。
※2019年7月取材時点での情報となります。改修工事が行われるとその情報を保証するものではないことをご理解ください。
※今回ご紹介の世界遺産 琉球王国グスクは、電動車いすユーザーであればほとんど介助いらずで、城壁手前まで問題なくアクセスできます。
今帰仁城址のバリアフリー・車椅子アクセス環境は
おススメ駐車場【P2】は今帰仁城址・多目的トイレ・券売所・歴史資料館へアクセスしやすい
障がい者専用乗降スペースは4台分。ちなみに右奥の乗用車スペースは一般用です。
一瞬「不正駐車??」と勘ぐってしまいましたが(苦笑
ここで停められなければP1駐車場もありますよ。
P1駐車場は県道505号線からあがって右手に見えてくる
障がい者専用スペースは2台分。縁石段差はおよそ1センチでしょうか。
中央にスロープがありますのでそのまま上がっていくと多目的トイレ・売店・券売所へとつながり、P2駐車場も見えてきます。
ちなみに、P1駐車場 奥側に車椅子トイレありましたが、縁石段差が18センチあること、トイレ正面に車を止められると車椅子ユーザーはアクセスできなくなってしまいます。。
↓ ↓ ↓
多目的トイレは、売店やお土産店立ち並ぶ今帰仁グスク交流センターに併設されています。
ここに注目!今帰仁城跡までの車いすアクセシビリティ
今帰仁城跡 世界遺産石碑まわりのバリア環境
介護タクシーめぐり的アンサー
勝連城跡のバリアフリー・車いすアクセス環境は
管理事務所で車両通行許可証を発行してもらえれば、四の曲輪(くるわ)までダイレクトアクセスできる
障がい者専用乗降スペースは2台。
しかしながらこちらの乗降スペースから歩いていくとなると、勝連城跡ふもとまで横断歩道をわたり、エグい坂を上らねばなりません。
車いすユーザー・および介助者は管理事務所におもむき、遠慮なく車両通行許可証を発行してもらい、勝連城跡・ふもとまでダイレクトアクセスしましょう。
あ、多目的トイレは管理事務所入ってすぐ左側にあります。
ここに注目!勝連城跡までの車いすアクセシビリティ
前述しましたが、管理事務所で車両通行許可証を発行してスパッとアクセスしましょう。
車いす移動にとって酷すぎる坂です。。
取材当日も工事が進められていました。
運転手は入り口のカラーコーンを一旦どけて車を進入させ、ふたたびカラーコーンで閉じなければなりません。
車いすユーザーの一人旅では難儀な思いをしなければなりませんね。
管理事務所スタッフが配慮くださればありがたいのですが。。。
道なりに進むと勝連城跡・ふもとの「四の曲輪(くるわ)」まで車でアクセスできます。
左奥に仮・駐車スペースがありますのでそこに車を停めればOKです。
↓ ↓ ↓
記念撮影ポイントはやはりこのあたりになるのかなと思います。
↓ ↓ ↓
ご覧の通り、車いすユーザーのアクセスはここまで(四の曲輪)が限界になります。
整備された人工階段というバリアや、何千人もの観光客の往来ですりへった琉球石灰岩の階段はすべりやすくて健常者でも少々危険なレベルです(笑)
実は、勝連城跡は3段構造になっています。
その様子をつかむにはドローン撮影動画が最適ですね。
公式サイトよりお借りしました。
実に分かりやすいです。
↓ ↓ ↓
介護タクシーめぐり的アンサー
勝連城跡ならではの美しいカーブを描いた城壁をバックにした記念撮影というミッションを成功させるには、管理事務所からの通行許可証をゲットせよ。
座喜味城跡のバリアフリー・車椅子アクセス環境は
なだらかな傾斜といえど座喜味城跡・二の郭正門までの車いすスロープ坂がキツい
障がい者専用乗降スペースは2台分。
以前は読谷存立歴史民俗資料館がありましたが、2018年6月に「ユンタンザ ミュージアム」という名称と共にリニューアルオープンしました。
その施設内1階に多目的トイレがあります。
オストメイト設備ありました。かなり広々として快適です。
注意点としては、ユンタンザミュージアム休館日が毎週水曜日と年末年始(12月28日~翌年1月4日まで)なのでその日は多目的トイレが使えません。
詳しくは公式サイトをチェケラ。
ユンタンザミュージアム公式サイトはこちら
駐車場は道を挟んだ向こう隣にもあります。
各駐車場から坂を上っていくと世界遺産石碑が見えてきます。
その左側に、座喜味城跡・二の郭正門へとつながる車椅子スロープ坂が設けられています。
ここに注目!座喜味城跡までの車いすアクセシビリティ
ゆるやかな傾斜とはいえ、
およそ100㍍もの距離を車いすガイドするには少々酷なミッションかもしれません。
車いすユーザーの外出サポートを行ってきて11年以上になりますが、階段や段差を昇降できるという当たり前の日常はとても大事なのだと感じます。
ご覧のようなスロープをぐるっと回りながら登っていくと、琉球松の大群に囲まれた凸凹路面スロープが左側にあります。
こういった路面では車いす前輪がつっかかってしまい、必要以上の体力を消耗してしまいます。
ましてや、上り坂ですしね(苦笑)
座喜味城跡・二の郭正門が近づいてくるとコンクリート路面が打ち切られて自然の地面へとかわります。
ご覧のような凸凹やゴツゴツした路面の車いすガイドには少々コツを要します。
ティッピングレバーを足裏で踏みつつ同時に手元グリップは地面に押し付けるように、かつ、車いすを前面に押していくわけです(笑)
要するに、車いす前輪がつっかからないように地面から1センチ浮き上がらるイメージを持ちながら車いすを前に進めていくようにガイドしていきます。
ただ、望むべくは、車いすガイドスキルがなくても「押す・引く」 この単純操作だけで座喜味城跡までアクセスしやすいように路面改修工事は行うべきかと思います。
沖縄の青い空と座喜味城跡の独特な曲線の城壁は見事にマッチングしています。
座喜味城跡の特徴と言えば、アーチ門の継ぎ目にくさび石が打ち込まれているポイントにあります。
これは首里城にも今帰仁城跡にも中城城跡にも勝連城跡にも無い、座喜味城跡だけに見られるものです。
歴史好き・お城好きにはたまらない萌えポイントでしょう。
ぜひ、生の現場でご確認くださいね。
介護タクシーめぐり的アンサー
さえぎるものが一切ない沖縄の蒼空に映える座喜味城跡・二の郭アーチ正門のくさび石を心とカメラに打ち込もう(巧くない)
中城城跡のバリアフリー・車椅子アクセス環境は
車いすユーザーの来場を想定していない受け入れ体制
一般駐車場から入場チケット販売所(兼 管理事務所)までの経路にスモールバリアが存在していることと、およそ70㍍の距離を移動して途中、上り坂があります。
チケット販売所・受付の方に伺いました。
車いすユーザーからの観覧希望があった際の受け入れ体制としては、福祉車両の乗り入れは基本的に禁止となっていますが、販売所付近で車いす乗降を速やかに済ませ、一般駐車場へ車両を戻すならOKだそうです。
ここに注目!中城城跡への車いすアクセス注意事項
他にも注意事項がありました。
- 城内は階段だらけで観覧は厳しい
- 無料カートに乗れるなら500㍍先の正門までは案内できる
- チケット販売所むかいの急坂を上って下ってもらえればOK(車両進入ダメ)
右奥にカート乗り場と車いすトイレがあります。
正面の急坂を上ると中城城跡 三の郭が見える広々とした記念運動場が見えてきます。
画像では伝わりづらいですが、かなり傾斜のキツい急坂です。
電動車いすユーザーでないと上り下りは無理かなという印象でした。
ときおり有名アーティストを招いてライブイベントも行われる記念運動場には、世界遺産石碑と中城城跡を忠実に再現したジオラマもあります。
個人的にはこのあたりまで福祉車両進入を認めて頂き、ライブ観賞や中城城跡の荘厳な雰囲気を感じてもらえるよう、健常者同様の機会を設けて頂きたいのですが。。
中城城跡の多目的トイレ・車椅子トイレは
チケット販売所奥に車いすトイレがありまして、
↓ ↓ ↓
チケット販売所向かいの急坂を上りきる途中に多目的トイレがあります。
オストメイト設備が完備されていました。
オストメイトって何?という方は当事者が語るブログをどうぞ。
↓ ↓ ↓
オストメイトって知ってますか?人工肛門をつけて生活する工藤裕美子さんが伝えたいこと
中城城跡は〝築城の名手・護佐丸〟の技術が活かされた場所としても知られ、琉球王国グスクのなかでも当時(14世紀~)の状態が奇跡的に保存されている大変貴重な遺産です。
車いすユーザーは城内の雰囲気を目で・肌で感じることが厳しいので、その一端を写真からでも感じ取っていただければと思います。
介護タクシーめぐり的アンサー
ときおりライブイベントも行われる記念運動場には福祉車両進入を認めていただき、車いすユーザーにも護佐丸の築城技術を肌で・眼で感じてもらいたい。
識名園のバリアフリー・車椅子アクセス環境は
2019年11月14日追記
車椅子ユーザーのアクセスはかなり厳しくて手ごわい
正直、車椅子ガイドに慣れていない方には無理な環境だと感じました。
何故なら……
介護タクシーめぐり的アンサー
首里城のバリアフリー・車椅子アクセス環境は
障がい者専用乗降スペースはP2駐車場へ
駐車場は首里城前交差点を過ぎてトンネルを抜けた左側にあるP2駐車場がおススメです。
車いすユーザー同乗であることの意思表示をすれば、ガードマン・スタッフが案内してくれます。
障がい者専用乗降スペースは乗用車8台分確保されている印象です。
近くには多目的トイレ・エレベーターへつながるスロープが完備されています。
多目的トイレは首里壮館(すいむいかん)のB1駐車場エリアと1階がおススメ
画像はB1駐車場で、中央部・柱の真裏にエレベーターがあり、その横に多目的トイレが1つあります。
↓ ↓ ↓
ここに注目!守礼門をくぐり抜けた先の車いすスロープ傾斜が鬼門だ
首里城の顔ともいえる守礼門。
ここをくぐり抜けたさきの左側に世界遺産「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」があり、
右側の琉球石灰岩スロープへ進んでいくとバリアフリーコースのスロープが見えてきます。
車いすユーザー・介助者はまよわず左を選びましょう。
逆側からの視点です。
↓ ↓ ↓
ガイドに慣れている方ならそこまでの苦労ではないのですが、
- 車いすは基本的に押す/引くの操作だけ
- ガイドヘルパーの資格保持者でない
という方だと、かなり体力を消耗されるようです。
という口コミや意見がインターネットで散見される鬼門のポイントです。
介護タクシーめぐり的首里城バリアフリーコース攻略スキル
このような長い傾斜坂で車いすユーザーの移動介助を行うときは、
腕を突っ張り気味にしながら上半身は伏せ気味に上っていく・下っていくと体力の消耗を和らげることができます。
車いすと介助者の距離を密着気味にすると、介助者の上半身(とくに二の腕)に余計な力が入ってしまうのですね。
ここをクリアすれば、そこから先のスロープは傾斜角度と距離もそれほとキツくなく、エレベーターも完備されていますので琉球の歴史・文化を楽しんで頂けるかと思います。
介護タクシーめぐり的アンサー
守礼門をくぐり抜けた先のバリアフリースロープを攻略するためには、筋トレ・ウォーキングで基礎体力をつけて体力をなるべく消耗しないための車いすガイドスキルを身につけておこう。
琉球王国グスク バリアフリー・車椅子アクセシビリティまとめ
琉球王国グスクの観光ガイドにぜひお役立てください。
介護タクシーめぐりは観光地内の車いすガイドや介助も快く承っています。
沖縄観光を「ラクに・快適に・便利に」過ごしたい方はお気軽にご相談くださいね。