18年以上この業界に携わらせてもらってますが、介護タクシーは通院送迎にしか使えないタクシー という世間のイメージが頑固にこびりついています。
細かい説明は省きますが、実費負担をご理解頂ければ、どんな外出にも応えられるのが介護タクシーの魅力なんですよ。
今回ご依頼いただいた移送は、リゾートホテルにて家族のお祝い事があるので、入居している介護施設から仏壇のある実家にいったん戻ってご先祖様に手を合わせ、その後リゾートホテルに向かうというもの。
ですが、問合せ時の家族の悩みはこのようなものでした。
現場をのぞかせてもらいましたが、確かに一見不可能に思える階段の傾斜角度だったんですね。
当初は階段昇降機にのりかえて頂こうかと思いましたが、秘密のスロープ機材と少し工夫をすれば問題なさそうなことが直感で分かりました。
それだけでは不安があったので仮装人間に見立てた重りを車椅子にのせ、ご家族立会いの下、スロープを設置したあとに車椅子通行してみました。結果は安全にイケる!と納得できまして。
住み慣れた自宅の、トートーメーのある仏壇の目の前で手を合わせることが大事ですからね。
つづいて、沖縄の美しい海で優雅に泳ぐ熱帯魚をグラスボートで見たいけど車いすユーザーは受け入れてもらえるのか?楽しめるのか??についてメール問合せがあった時のお話しです。
過去にもご案内した経験があったので問題ないかなと思いましたが、依頼者との打ち合わせを重ねる中で、別場所のグラスボート事業者を探すことが望ましいと判断しました。
現場で現物に触れ、現実に問題を解決する3現主義の観光介護タクシーめぐりは、50キロ先にある海に到着。
事前にスタッフの方とコミュニケーションを図ることで車椅子ユーザーへの対応の姿勢や介助のやり方を知ることができます。事前の下調べもあってお客様には大変満足頂けました。マスク越しにも伝わるこの笑顔を刮目せよ!!
健常者と同じ角度で・空間で共に楽しめるってことが大事なんですよ、はい。
このお仕事を長く続けてるとですね、当たり前に誰の助けも借りずに階段が昇れて・砂浜を歩けて・坂道を駆け上がり・エレベーター無し地下1階のライブハウスに行けてたことが、実はとても幸せなコトなんだと気づかされるんですよ。
齢を重ねてくると、いつも隣にいた人が突然いなくなったり、誰かの手助けがあって外出がやっとこさ叶う…そんな瞬間と日々を噛みしめるわけで。
だからこそ、当たり前だった外出・特別な外出を求める障害者高齢者とそのご家族へ、最善かつその日最高の外出サポートを届けたいんですよ。
そのための準備は惜しまない介護タクシーめぐりでした。そうそう、ありがとうをもらえるって生きがいの一つですよね、今日もがんばろ