このお仕事に携わって早いもので10年以上。
移動にお困りの障がい者や高齢者がお客様であるこのお仕事でなければ、我々健常者が何気なく・無意識に行う、行えている日常生活動作の有難さや、障がい者に配慮すべき点に気づけなかったんだろうなぁと改めて思うのです。
また、障がい者視点ならバリアである点も多々ありまして、これは、ほんの一例になりますが知って頂きたい情報でもあります。
スーパーなどでの買い物でいえば
- 駐車場から店内入り口までの距離・導線環境(凸凹や滑りやすい材質の路面、斜面、10センチ以下の段差)
- 買い物かごを持ちながら店内移動という行動(車椅子が通れる通路幅か、高さ1メートル・手が届くあたりに使用頻度の高い品物があるか、目が見えない方・障がい者へ付き添うサービス介助士は?)
- 買い物精算時(視覚障がい者へお釣り手渡し口頭説明、車椅子ユーザー希望指定場所への買い物袋固定手伝い)
- 筆談ボード設置
飲食店でいえば
- 出入り口環境(雨で滑りやすい、段差、スムーズでない開閉扉)
- 店内状況(通路幅、テーブル・椅子の高さ、トイレ内段差・手すり有無・オストメイト(人口肛門排泄設備))
- テーブル間の通路幅
- 聴覚障がい者との対話に必要な筆談ボード配置・お知らせ
衣料・アパレルショップ・雑貨屋でいえば
- 車椅子ユーザー(目線1メートル位置に商品があるか、奥まった場所の商品をさりげなく取ってくれる雰囲気、車いすごと入室できる試着室、また、目線高さの物置・手すり設置)
- 出入り口目線高さに「障がい者の方も遠慮なくお声がけ下さい!」などの柔らかい雰囲気漂うPOP配置があれば
- 陳列棚周囲の通路幅(一般的車いす幅650ミリが確保されているか、フロアに物が置かれていないか
- 聴覚障がい者お客様ご希望の内容を相互に理解しあえる筆談ボード配置・設置お知らせをPOPなどで
視覚障がい者へ手渡すお札の定位置とは
飲食・小売・サービス業全般に言える事だと思いますが、光が見えない・視界がぼやけている視覚障がい者へお釣りを手渡す際、意識してお客様の手で確認させてほしいポイントがあります。
※他のお客様の混み具合も考慮しながら
どのお札も左・右角に指先で読み取れる刻印があるので。
一万円札なら
L字型の刻印ですね。
五千円札なら
八角形のやや小さな刻印
千円札なら
1センチほどの横・棒線
手元に2千円札はなかったのですが(苦笑)、同じく、左・右角に、
◯が縦に3つ並んでいるそうです。
私も試しに親指・人差し指の腹で確認したが、ビミョーーーーーーに感じ取れる(笑)
視覚障がい者は光を失った代わりに聴覚や触覚の感覚が研ぎ澄まされているのでこの僅かなふくらみも感じ取れるようです。
以上、述べた点が介護タクシー運行事業を通して感じ取れた思いですが、サービス業に携わる販売員・スタッフに届いてくれば嬉しいですね。
本音でいえば、健常者全員が共有すべき情報だと思います。(義務教育段階で授業に盛り込むのもありかなと)
知っていれば、気づいたなら、手助けが出来るじゃないですか。
それが健常者・障がい者の共生する社会のありかたなんじゃないかって感じています。
知られていない情報は存在しないので、このブログが一つのきっかけとなれればと思います。