さて、いつもお世話になっているバリアフリー沖縄ツアーセンター【那覇空港 しょうがい者/こうれい者観光案内所】より、ショート観光のご用命を賜りました。御縁を紡いで下さりありがとうございます。
予約を頂いた日は本土へ帰られる観光最終日で、ホテル出発から飛行機出発までの数時間でこのようなリクエストがありました。
このリクエストを伺って私がやるべき事・やった事は以下の通り。
タコライス発祥の地・キングタコス金武町本店までの移動時間・営業時間の確認
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高速道路を活用しても、その後のお買い物タイムを楽しめない・飛行機チェックイン時間に余裕がない✖
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ホテル近く(那覇市)の定評あるタコス店ならゆとりを持った観光が楽しめる為リサーチ、正月期間中により休業であった✖
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キングタコスグループ店舗がホテルから30分の距離にあり、営業時間を確認して、ホテルからグループ店舗に向かう道中に電話予約して到着と同時に受け取れるよう段取り。
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タコス・タコライスを受け取りデパートでの買い物時間も考慮したスケジューリング作成、お客様に提案
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予想外に時間が余ったので、飛行機出発チェックインまでの余暇時間を過ごすバリアフリー観光地を提案、ドライブ観光後、那覇空港到着
お客様のリクエスト全てに応える事が出来て私自身もほっと胸をなでおろし、出発ロビー障害者専用乗降所で感謝の言葉をお客様から頂けてめでたしめでたし、、、でしたが。
旅行者の声が届かないジレンマ バリアフリーの〝現場〟を学んでいない旅行代理店の所業とは
タクシー車中でお話を伺うと、旅行代理店のツアー商品で沖縄に訪れたそうなのですが、車いすユーザーが居ると事前に伝えているにも関わらず迎えに来たタクシーは健常者利用のジャンボタクシーであったり、宿泊部屋は健常者利用前提のルームだったり、〝初沖縄〟に臨むご家族の希望や期待を損ねる対応で苦労されたのだとか。
旅行代理店のツアー商品は「飛行機・宿泊・飲食・移動」がパッケージングされたものが多数を占めます。
バリアフリー旅行代理店の仕組みも例外ではないでしょう。
旅行/観光にのぞむ消費者の心理としては、
飛行機の手配
宿泊ホテル・飲食ルームのバリアフリー状況(多目的トイレ・店内動線・テーブル設備・介護食)
車いす専用タクシー/バスの手配
などが成されている筈だ・そのノウハウに長けているはずだから、その手間を代行してもらおうandまとめてお願いしよう となるわけです。
しかしながら、現場に辿り着いてみれば、期待していた事とは違う対応や環境が待っていたとなれば、障がい者のお客様はどう感じるでしょうか。
ましてや、健常者のように段差を乗り越え斜面を往来し大人一人分の狭いトイレを使用する、、とは行かないわけですから。
旅行代理店の本音とは、実情とは?
ここからは私の憶測になるのですが、超高齢化社会・障がい者社会進出の空気を感じ取った旅行会社が「バリアフリー旅行代理店」と打ち出し、ツアー商品を創ってみたものの、障がい者個別のニーズに応じた手配や段取りの手間に予想以上の時間がかかる事に疲弊し、とりあえず今ある環境・状況で我慢してもらうしかない 的な行き当たりばったりの商品販売を行っている気がしてならないのです。
本土企業の旅行代理店スタッフがわざわざ沖縄の地に足を運んで宿泊ホテルのバリアフリー状況(入り口段差・シャワーチェア有無・ベッド高さ・通路スキマなど)をリサーチしたりタクシー会社の運転手接客レベルや車両構造の把握を行うのは現実的ではありません。
現実的ではありませんが、
あらかじめ提携しているホテルやタクシー会社や飲食店には、どのようなバリアフリー設備状況かを確認する手間は惜しむべきではありません。
電話でもメールでも確認する手段はありますからね。
この手間を惜しまずしてバリアフリー旅行代理店を名乗ってはならないんじゃないかとさえ思いますし、身体的ハンデを抱えている方からの旅行リクエストを請け負う旅行代理店は、自社商品で対応できる範囲・対応できない範囲を明確にホームページ・口頭で説明しておかねばなりません。
そして、これは、ホテル事業者・タクシー/バス事業者・飲食店事業者など観光に携わるすべての事業者に課せられた義務であると考えます。
クレームを恐れたり確認や説明の手間を避けたいから、バリアフリールームや店内入り口・トイレ・店内動線の詳細状況を公開しない、、、という流れをそろそろ終わらせるべきではありませんか?
その旅行に思いをのせているお客様の期待や気持ちを裏切るようなサービスを提供してはならない
そんな事を再確認した2019年の観光ドライブでした。