10年やってきて記憶をたどれば
5回にも満たないのですが。
時折、自治体・支援学校から介護タクシー利用料金に関する
お問い合わせをいただくことがあります。
以前の話を振り返ると
自治体が予算をつけている透析患者の往復送迎がありまして。
透析患者はその身体状況を維持するため
週3回は必ず最寄りのクリニックに通わなければなりません。
定期の送迎になるためご依頼を受ける事は
収入の安定確保に繋がるため介護タクシー事業者にとって
喉から手が出るほど欲しかったりするもの(苦笑)
そのお問い合わせのあった透析患者は複数いるため
月曜日から土曜日までほぼ毎日送迎患者がいるという事がわかりました。
そこでその自治体がワタシに問い合わた見積依頼は
どのように算定するかという事。
詳しく話を聞くと
透析患者がその日によって一人であったり、
2人以上になったりするという事や、
身体的介助がある方もいらっしゃるという、
全ての透析患者の状況が統一でない事から
介護タクシーを拘束する時間で見積料金をはじき出しました。
普通、皆さんが利用するタクシーと言うのは
お客様がタクシーに乗った時点からメーターが作動し、
目的地に着いたところでメーターストップして
実際に走った距離の料金を支払いますよね。
この見積依頼の患者の様々な条件を考慮して
ワタシは時間制運賃で提示しました。
はっきり言って距離制運賃より1.5倍以上の高い見積もり。
自治体は距離制でやってくれないかと依頼してきました。
うーん、
それだと損するのはワタシだけなんですね。
距離制運賃で行うには運賃プラスの介助料金も
見積もらなきゃならないわけで、
その介助者も曜日によって必要のない人もいたりで
利用料金の算定が難しいんです。
(とはいっても透析患者は治療終了後にめまい・吐き気を催す人もいるので
まったくの介助なしってわけでありません。)
自治体は少しでも安い料金でやってくれる所を探します。
そうでしょうね。
しかし
ワタシはその今まで多数の運行経験を行ってきた経験から、
送迎とはいっても、複数いると時間通りに運行が進まない事や、
見積で出した拘束時間通りに送迎が終わらないイレギュラーな事や、
毎日送迎があると言っても
その日運行を終えた後に
よし、頂く料金に見合った働きをしたな、と実感が得られるものでなければ
そのお仕事を受ける意味あいがないと判断したんですね。
送迎と言うのは当たり前のことですが、
時間に縛られるということです。
その時間で得られる対価が利益を得られるものでないと
経営は厳しくなります。
時間への見積を甘く見ていた過去の痛い経験から
しっかり提示するべき条件を提示し、
それを了承してもらわなければお仕事は受けませんよ、と
毅然とした対応が望まれますね。
結果どうだったかと言えば
お仕事の依頼の連絡がやってくることはありませんでした。
(笑)