と思う運行でした。
先日、障がい者支援施設からご縁を頂きクリニックへの通院・往復送迎だったのですがその方は恐らく脳梗塞で倒れられたのでしょう、呼びかけてみても言葉がうまく発せられず唸り声のみが介護タクシー車内に響いたのでした。
身体の痛みからなのか、慣れない介護タクシー車内への不安からか、それともワタシという初見50歳に見えなくもないエグい顔立ちに驚かれての反応なのかw、支援施設を出発してから5~10分は声にならない声を発しておられました。
「○○さん、ほら、海がきれいですね~」
「今日とてもいい天気ですよ~、少し暑いくらいですけどねw」
と声掛けしても一向に治まらない。何とか落ち着いてほしいという思いと下手に声掛けし過ぎてもどうかという葛藤もありながら信号待ちのタイミングを見計らって再度声掛け。
「クリニックで診察してもらいますからね、娘さんも向こうで待ってますよ」
と、その言葉から少し落ち着いた感じがして更に畳みかけを決行(笑)年代から察するに沖縄民謡が好きそうだなと勝手に判断し、ワタシも大好きな喜納昌永氏の「カチャーシー特集」のCDを流すと不思議と唸り声が消えた(笑)
※ご存知の方はご存知。あの「花」「ハイサイおじさん」を創った喜納昌吉氏の父親にあたります、速弾きの名手。個人的に最初の曲「アッチャメ―小」の流れるような速弾きと8曲目の「富原ナークニー・ハンタ原」に表れるメリハリの付いた掻き弾ちが大好きなんですが。
いや、たまたまのタイミングだったのかもしれない。発車して20分も経過していたからお客様も何となくコイツ悪そうな顔してるけど悪い奴じゃなさそうだな、と感じたのかも(笑)
まもなく目的地にさしかかろうとする矢先に「○○さん、あと5分で着きますからね」と声掛けすると少しはにかんだ顔で微笑んでくださいました。そういったお顔を拝見するとこちらが救われる思いです。
改めて今回の運行を通して声掛けって大事なんだなと痛感しました。言葉を投げ掛けても言葉が返ってこないから一言程度でいいや、という思い込みもありましょうが必ずや相手には届いているという気持ちで接するべきなんですね。
べき?
うーん、べきと決めつけるのも驕った感じがします。そんな簡単な方程式が当てはまるほどコミュニケーションは甘くないからです。ただ、笑顔が見れたらこちらも嬉しくなることには変わりはないわけで。
初めて利用なさる方に安心できる空間を提供できるようにこれからも精進です。