14世紀から16世紀、かつての琉球は中国やアジア諸国との大交易を重ねて独自の文化を築き上げ、グスク と呼ばれる独自の聖域が今や沖縄観光経済を活性化させている資産となり、また、後世に残すべき沖縄の・世界の遺産である事は誰の目にも明らかです。
沖縄県内には世界遺産・関連群は全部で9つあり、その中でも、車椅子ユーザーや高齢者にも優しいバリアフリーデザイン・設計の世界遺産グスクと言えば首里城のみ。(首里城公園内にもう一つの世界遺産 園比屋武御嶽石門 があります)
あとの今帰仁グスク 勝連グスク 座喜味グスク 中城グスク は城門の手前までしか車椅子ユーザーはアクセスできませんし、
国王の陵墓である 玉陵 や 冊封使の歓待地としても活用された王家別邸の 識名園、 パワースポットとして騒がれ過ぎな斎場御嶽においてもメインエリアへのアクセスはかなり厳しいものがあります。
いや、ハッキリ言えば、グスク城郭内への車椅子ユーザーの入場はお断りしているくらいの状況です。
何故なら、城郭内は傾斜があったりぬかるみがあったり幾万人もの来場者の足跡ですり減り・滑りやすくなった琉球石灰岩の階段があったりと、
それは安全上の観点からお断りせざるを得ない事情や、バリアフリー環境整備が文化的外観保護とイコールに繋がらない側面からなのだと思われます。
琉球が一つの国として中国皇帝からお墨付きを得られていたあの当時の外観を保ち、再現する事と、老若男女健常者障がい者問わず誰もがアクセスしやすいユニバーサルデザインを両立させる事は現実的に厳しいものなのですね。
ここはオススメだなーと思ってもバリアフリー環境(段差階段通路トイレ)が整っていなくてご案内出来ない飲食店・観光地・自然景観地は多々ある。文化財故に施せないし予算が厳しくて施せないし設計施工側にそもそも「その意識」がなかったりでバリアフリー環境を普遍とするのは容易ではない。
— 介護タクシーめぐり@花城健 (@gappai2323) 2017年12月19日
久しく訪れていなかった中城グスクと中村家を訪ねた際、車椅子ユーザーを容易にご案内出来ないジレンマを抱えながらも、
どうにかならないものかなやっぱり簡単じゃないよね と独り言をつぶやきながら、運行の合間に沖縄から琉球にタイムスリップしてまいりました。
国指定重要文化財 中村家
フクギの木陰って沖縄県民の私でも「何だか沖縄っぽいね」と感じるポイントです(笑)
冷たいさんぴん茶とポークたまごおにぎりがフィットする御庭ですね。
幼い頃、親父に無理やり畑作業を手伝わされましたが、昼食時のポークたまごおにぎりのウマさと言ったらミシュラン5つ星の飲食店を凌駕するウマさなんですよね(←強がり
私の視点から見て、正門を入って中庭・その周辺なら車椅子ユーザーでもご案内できると判断しました。
むしろ、中村家の魅力の大半を占めるエリアでもあるので沖縄観光を計画されている車椅子ユーザーは是非私とご一緒しましょう(笑
約280年前の沖縄建築様式と文化が凝縮された国指定重要文化財 中村家。
必見観光地の一つですね。
築城の名手・護佐丸の忘れ形見 中城グスク
一年ぶりくらいに訪れました。
以前は裏門(三の郭)側からでも正門側からでも入城出来たのですが、今回は、電動カートに乗せられて正門側からのアクセスとなりました。
あいかた積みは別名「亀甲乱れ積み」、布積みは別名「とうふ積み」とも呼ばれます。
あいかた積みは高い施工技術レベルを求められ、外壁としての強度も布積みより上です。
本土のお城にもあいかた積みが見られますよね。
アーチ門は沖縄のグスクの特徴の一つでもあります。
何だか西洋ギリシャも風合いも漂うと感じるのは私だけでしょうか。
城内の各所をメンテナンスする工事事業者が忙しく動き回る中、空気を読む なんて価値観のない中国人観光客がアーチ門の奥で賑わっておりました。
恐らく、この3つの石灰岩が14世紀当時のままの・この位置にあったものだと推察されます。
ガイドを頼もうかと思ったのですが1週間前に申し込んでくれと促されまして。
ボランティアガイドが要予約で受け付けているようです。
ただ巡るだけじゃなくて、歴史的背景をなぞりながら観光地は楽しみたいものです。
未確認です。
しかし、首里城も勝連グスクも今帰仁グスクも戦争の惨禍を逃れる事は出来なかったわけで、その当時、県内各地のグスクは米軍と対峙する日本軍の基地として機能していた歴史的側面からもあながち間違いではないでしょう。
鉄の暴風 と呼ばれた砲撃を東シナ海からぶち込まれた痛ましい過去がありましたからね。
まぁ、こちら中城グスクは東海岸側ですが(笑)
規則正しく積み立てられた石材が美しく圧巻ですね。
ソテツ地獄 なんて言葉も社会の授業で習ったような。
サトウキビ栽培で経済が潤った沖縄の農家も、関東大震災や世界恐慌の不況のあおりを受けてサトウキビの需要が一気に無くなった。
収入の経路が途絶えた農家が飢えをしのぐために仕方なしに食らったソテツも、毒抜きが不十分であれば死亡に至るという悲しき事実があったんですよね。
ソテツを見るとソテツ地獄か ソテツで作った虫かごを思い出すのです(笑)
受付事務所に事前に一報を入れておくことで、この広場まで車両の搬入が出来て車椅子ユーザーも中城グスクの一端を眺める事が出来ます。近年は、この広場でプロジェクションマッピングと有名アーティストのコラボイベントが行われたり、
沖縄の民謡歌手のライブが行われたりと、世界遺産グスクを保全・鑑賞という凝り固まった考えから脱却して、若者も巻き込むイベント会場としても活用されています。
和製・マイケルジャクソンと呼ばれ、あの安室奈美恵さんを輩出した沖縄アクターズスクール出身者でもある 三浦大知さんの音楽イベントも過去こちらの中城グスク記念運動広場で行われたんですよね。
年末前にはツワブキ祭りが行われたりと年間を通して各種イベントが執り行われていますので要チェックですよ。
お出かけの際は何時でもお声がけ下さい。
[su_button url=”https://meguritaxi.com/contact” background=”#f14c5d” color=”#191111″ size=”10″ class=”flo-r”]沖縄観光お問い合わせはこちらから[/su_button]