令和6年度に際立って感じることですが、通院送迎以外にも、貸切観光ドライブならではの自由・感動・食の満足へと誘える介護タクシーの利用者が増えてきたように思います。
事業者であり乗務員でもある僕自身、とても喜ばしい傾向だなと感じています。
なぜなら、人生の幸福度を高めるには、住み慣れたふるさとでは感じられない景色・食・ヒト・体験・歴史・文化・慣習が観光を通じて叶えられ、そのお手伝いができるのが介護タクシーなのですから。
人生の幸福指数=観光の満足度とも言えるわけですが(強引)、障害者高齢者のお客様に「思い切って観光を決意してよかった…!沖縄にきてホント良かった…!!」と感じて頂くために、乗務員の僕がお客様をお迎えするまでに日々心がけていることを4つお話しさせて頂きます。
【その1】乗務員都合のコースより乗客の叶えたい沖縄観光を応援する
ゴーマンな意見かもしれませんが、僕ほど沖縄本島各地を走り回ってバリアフリー観光地や飲食店を知っている乗務員はいないと思います。だからこそ、現地乗務員おすすめの沖縄観光コースには一定の支持があるだろうと思ってました。
北部Aコース5時間とか南部コース6時間みたいな、オリジナルの観光コースを作ってみたのですが、一度も申込がありませんでした(苦笑)。薄々分かっていたことですけどね。
美ら海水族館に行きたい人もいれば、A&Wに立ち寄りたい人もいる。海水浴に挑戦したい車いすユーザーもいれば、親子3世代で想い出を創りたいファミリーもいる。みなさん、それぞれの叶えたい沖縄観光があって、型にはまった観光は望んでいないんだなと感じました。
正直なところ、ヒアリングをしてコースを創っていくのは、沖縄黒糖アンダギーとさんぴん茶を欲するくらい、脳内エネルギーをかなり消耗します。でも、メールのお返事で
って言われるとこちらも嬉しくなって頑張っちゃうんですよねぇ。
【その2】沖縄観光の理想と現実のギャップをお伝えする
まれにではありますが、お客様のなかにはグーグルマップなり検索を駆使されて、貸切時間から逆算したいくつかの観光地を提案してくださる場合があります。
ですが、現地を走り回っているタクシー乗務員の感覚からすると、予期せぬ渋滞・トイレ休憩などを考慮すれば貸切時間が足りないこともしっかりお伝えしなければなりません。
これは事業者の売上欲しさによる貸切時間の吹っかけではなく、遠方からはるばるお越しになるからこそ、沖縄に滞在している時間を焦らず急がずに過ごしていただきたいという願いによるものです。
コロナ過から解放された2023年あたりから、沖縄本島各地の渋滞がさらに際立ってきてますから。
【その3】現場を訪れて五感でバリアフリーを知り感度を高める
18年以上も沖縄本島各地を走り回っても、お客様からの「〇〇に行きたいんですけど」というリクエストを受けた時に、1度も訪れたことがないことに気づかされ、そこにオキナワらしさを感じられるんだと学ばされます。
だからこそ、現地を訪れてバリアフリー状況やそこで働くスタッフの空気感や手すり付きトイレの有無などをリサーチしています。というか、これは観光介護タクシー乗務員の使命ですね。
微妙な高さの段差や通路幅、駐車場から店舗入り口までの距離や雨が降った時の回避方法などは、現地を訪れないとシュミレーションできませんから。
必要とあれば50キロ先の現場に下見しに行くこともよくあります。
【その4】一緒に笑い、感動し、楽しむ
お客様から「あ、ここから先は結構です…」と言われない限り(笑)、観光地内の付き添いや介助も当然に行いますし、ごはんもご一緒させて頂いております。沖縄生まれ・育ちだからこそ伝えられる言葉は、観光の美味しさにスパイスを添えられるかなと思っていて。
余談ですが、沖縄初心者には美ら海水族館や首里城公園など、広大な敷地内の手すり付きトイレの場所探しに時間がかかったり、最短ルートで見どころをおさえる…というような観光のコツをつかむのに苦戦しがちです。
乗務員が一緒に付き添うからこそ、迷わない・焦らない・イライラしない観光が楽しめるわけですね。
何度も訪れた美しいオーシャンビューも、お客様と一緒だからこそ、新しい感動を覚えるんですよ!これ、めっちゃ不思議な感覚です。誰か科学的に解明して。
ということで、観光介護タクシーめぐりは、最高の沖縄観光メモリーを叶えたいお客様との出逢い・めぐりあいを今か今かと待ち望んでいます。
あ、いちばん大事なコト伝え忘れてました。リピーターのお客様からの指名が、何よりも何よりも嬉しいんですよね。
この瞬間を味わえるだけで僕の人生はもう成功しているみたいなもんです。