介護タクシーでの沖縄観光をご利用されるお客様をお迎えする30秒前というのは、動脈のハイウェイが全身を駆けめぐるものです。
カフーリゾートフチャクコンド・ホテルは車いすユーザーの宿泊先ホテルとしても親しまれ、オーシャンビューに定評ある人気のホテルです。
ホテルエントランスからにこやかな笑顔でご挨拶くださった奥様と寡黙な車いすユーザー旦那様とのバリアフリー沖縄観光が幕を開けました。
バリアフリー沖縄観光 ファーストDay
かりゆしビーチでのグラスボート体験は車いすユーザーもウェルカムだ
お客様ご利用前にリサーチを行っていました。
現場に訪れて、現地の方にお伺いすることでインターネットには転がっていない活きた情報が必ず手に入るからです。
ジョイスティックで操作するバッテリー搭載型電動車いすだと重量だけで100㌔近くありますので流石に担ぎ上げは難しく(苦笑
スタンダード車いすにあらかじめ乗り換えることでグラスボートへの乗船も不可能ではないでしょう。
30分おきに運航しているものの、車いすユーザーが乗船できるグラスボートは限られていますし干潮時には中止も余儀なくされます。
事前問い合わせ/申し込みを済ませてかりゆしビーチスタッフにも心がまえてもらうと乗船へのガイドがスムーズになりますよ。
通路から船の間に見えるいやらしい隙間もご心配なく。
マリンスタッフがゼロに近い状態まで船を寄せてくれます。
特等席をいただきました。
あいにくの曇り空でして、エメラルドグリーンの透明度にかげりが見えております。
快晴かつベタ凪でしたらお客様からの感動の雄叫びを聞けたはずなのに残念でなりません。
天候だけはどうしようもありませんが、米空軍のミリタリーテクノロジーで雲を寄せ付けない確かな技術がありそうな気がしないでもありません。
今度、嘉手納基地にいる友人にお願いしてみるか と心の中でほざきながらランチタイムに突入しました。
戦後から愛されるシーサイド ドライブインレストランは設備も人もバリアフリーだ
車いすユーザーが外出時に気になるのはトイレ事情。
手すりがあって車椅子の転回・出入りにストレスなくアクセスできる多目的トイレは公共施設こそ整っているものの、民間の飲食店が備えている割合は2019年現在においても微々たるものです。
シーサイドスープとリトルアメリカンな佇まいで沖縄県民に愛されるシーサイドドライブインレストランは、いち早く障がい者目線の設備を備えました。
トイレ設備やお食事メニューについてはこちらを
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広報部長の銘苅さまがご挨拶くださり、我々にアイスコーヒーをご馳走くださいました。
ありがとうございます、取材してよかったです(笑)
亜熱帯植物の楽園 ビオスの丘は車いすのままジャングルクルーズが楽しめる
ランの栽培/販売や水牛散歩、小ヤギとのふれあいなど体験型サービスやイベントに力をいれているビオスの丘では、車いすのまま乗船できる湖水観賞舟が人気でしてお客様をガイドしました。
補足情報ですが、湖水観賞舟のりばに向かう下り坂は傾斜がきつめです。
車いすガイドに慣れていないかたは注意が必要です。
ほほえましい光景であります。
独身かりゆしウェア野郎の私にとって切なくも羨ましくなる刹那でありました。
健常者らを先に入船いただいてから車いすユーザーは最後に乗船、という流れが望ましいでしょう。
ユーザーは中央通路から観賞する形になりますね。
車いすユーザーの小グループ・団体で同時乗船を検討されているなら事前予約がおススメです。
湖水観賞舟は全部で5つほどあり、その日の混み具合や乗客層をみてスタッフが乗船ガイドを行います。
車いすユーザー4人の同時乗船が可能な舟は一つだったかと記憶しています。
なんにせよ、事前予約・確認が必須ですね。
ビオスの丘 公式サイトTOPページには「PICK UP バリアフリー」と題した画像バナーで園内バリアフリー設備の情報発信が積極的になされていて大変に好感触です。
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湖水観賞舟の魅力の一つにガイドさんの面白トークがあります。
今回のガイドさんは25分呼吸なし(←うそ)ノンストップ面白トークで乗船客を湧かせつつ失笑も織り交ぜるプロの妙技を魅せつけてくれました。
ご主人もほのかに笑顔。
梅雨入りも間近なゴールデンウィーク明けの涼しい風をまといながら園内をちょろっと散策すると。
血流たぎらせて突進してくるんじゃないか??
という不安を胸に出来うる限りのアップ撮影を試みました。
湖水観賞舟ガイドさん情報によると、
11月上旬のお昼前には水牛さんと小学生との綱引き対決のイベントが催されているそうな。
ゴリゴリパワーで小学生を引きずり回すそうです(苦笑
バリアフリー沖縄観光Days1 最終スポットはインスタ映えを狙うべく「あの楽園」へとお客様をいざないました。
インスタ映えりたいなら東南植物楽園 のユスラヤシにまみれろ
駐車場エリアにも水上楽園エリアにも多目的トイレが完備されています。
お客様、新婚旅行当時の30年前にこちらに訪れたことがあると申しておりました。
では、こちらは………?
息を吞む とはまさにこのこと。
お客様のテンションがアガる表情が手に取るようにわかりました(笑)
なんとかこの世界観を写真で表現したい。
ひらめきたった撮影ポージングは、仰向けに寝そべり腹斜筋プルプル必至の地面ギリギリからスマホカメラでパシャリと。
…決まった…
ご夫婦の苦笑いをビンビンに感じながらも渾身の一発が撮れて余は満足。
お客様のカメラでも同様のアングルから撮りまして大変に喜んでいただき、ユスラヤシの世界観を切り取ることに成功しました。
少し時間が余りましたので隣の水上楽園ものぞき、
広大な池から勢いよく吹き上がる噴水模様をみて私が車いすユーザー旦那様に
とスベる覚悟で申し上げたなら、
と含み笑い声を頂きました。
小生意気なジョークがウケた充実感を胸に抱き、
お客様とのバリアフリー沖縄観光最終日を迎えます。
バリアフリー沖縄観光ラストDays
80ボクシーをチョイスして良かったなと思えた瞬間。
どのような場所にもピンポイントアクセスが求められる介護タクシー運送事業では車両選定が大きなカギを握ります。
観光ラストデイこそ快晴を望みましたがまたもや中途半端な曇り空(苦笑)
ジェットコースター気分でコバルトブルーの美しい海を眺めながらドライブするニライカナイ橋のまえに、お客様ご希望のカフェくるくまでランチと相成りました。
カフェくるくまの手作りバリアフリー設備に温もりを感じて
カフェくるくま入り口を正面から見据えると階段だけ?に見えますが、
左側植物の奥にスロープがありそこから店内にアクセスできます。
車いすトイレは障がい者専用乗降スペースのすぐ隣と、化石展示エリアをくぐり抜けた右側にもう一つあります。
スペースにゆとりがあるのは展示エリア先の方です。
デザート・軽食ならテラス席、
お食事なら店内への案内となるようですね。
ところどころにスロープや自動ドアが整備されています。
我々はランチを頂くのでオーシャンビューに近い広々店内のカウンター席を選びました。
こちらではアジアンハーブ料理とオリジナルスイーツが楽しめます。
ランチタイムは予約が出来ないそうで先着順からのご案内になるそうです。
旦那様の食欲旺盛なさまを横目に見つつ、
ニライカナイ橋を下りながらスーパーエイサー鑑賞へと介護タクシーを走らせました。
アクロバットなスーパーエイサーが大人気 おきなわワールド
親切な中国人がお客様の記念撮影をかってでました。
「どうせお前らこちらを見向きもしないで譲らねぇだろ」
と、5秒前まで思い込んでいた自分を恥じ入りました、対不起。我是花城健。
ちなみにスーパーエイサーは写真・動画撮影厳禁でして演武開始前に念入りな注意勧告が発せられます。
ダイナミックな演武で会場を沸かせている最中、寡黙な旦那様がニヤリと笑う横顔がいまでも心に引っかかっており……(笑)
こちらのアイスクリーム、コーンの先っちょまでぎっしりクリームが詰っておりまして美味。
実物は結構ボリューミーですよ(笑)、おススメです。
ラスト観光スポットは世界遺産グスクとしても沖縄の観光地としても大人気の首里城へ向かいました。
快適バリアフリーと世界遺産の共存むずかしや首里城
奥様の柔らかな笑顔と少しだけはにかむ?旦那様に、守礼の邦がなじむなじむ。
これで晴れてさえいれば…
緩やか傾斜……で配慮したつもりでも車いす介助に慣れていない方やお一人で旅・観光を楽しまれる車いすユーザーにとってこちらは鬼門のスロープ坂。
小生意気にアドバイスさせて頂くなら、
路面がフラット形状の傾斜角度キツいスロープ坂登りの車いす介助は「両手を突っ張らせながら押し出すエネルギーは車いす前輪に向けて」がポイントです。
あえて突っ張らせることで両腕への負担を限りなく軽減出来てラクになります。
バリアフリー沖縄観光の2日間、
奥様の笑顔や旦那様に優しく語り掛ける姿をタクシー車内・観光地で何度も目にしました。
独身かりゆしウェア野郎の私にはじんわりこみ上げるものがありまして、女性の偉大さを再認識した次第。
本日の沖縄観光も楽しゅうございました。
旅や観光に何を求めるかは人それぞれでしょうが、少なくとも、そこに訪れたことで笑顔になれるのならそれで良しなんでしょうなぁ。
その土地に根差すタクシー乗務員はフルに五感を活用してお客様に笑顔を持ち帰って頂きます。 pic.twitter.com/ajLPsWiFDo
— 花城健 (@gappai2323) May 7, 2019
終始曇り空につつまれたバリアフリー沖縄観光2日間。観光客を迎え入れる沖縄県民としてはもどかしさと悔しさしか残らず(苦笑)
蒼空での再会を願って那覇空港をあとにしましたとさ。