テレビ番組・ラジオ・SNSで何度となく見聞きしていた〝LGBT〟という言葉。
昨年(2018年)はピンクドット沖縄と題したイベントが沖縄県・那覇市で開催されていたのが印象的で、記憶として残っていました。
例えばこんな話。
男性が女性を好きになり告白して付き合う。
逆もしかり、
女性がイケメンに告白、数年後に結婚、子供3人に恵まれ新居で生活をスタート。
これって何処でも聞く話ですよね。
例えばこんな話。
男性が男性を好きになる。
女性が女性しか好きになれない。
男性は女性も男性も愛する事が出来る。
身体と心が一致しなくて性転換したい欲求がある。
↑ ↑ ↑
これって普通じゃないでしょ?
えっ?
「これって普通じゃないでしょ?」って何ですか?
この場合における〝普通〟って何でしょうか。
何を根拠にそう言えるのか
何故そういう思考になってしまうのか
男性/女性以外の〝性〟を認めてはダメなのか
そもそもLGBTって何ぞや
LGBTって社会に必要なのか
このテーマについて深く考えた事ありますか?
そんな疑問を解消してくれそうな、前から気にかかってたモヤモヤに応えを提示してくれそうなセミナーが先日開催されまして。
セミナーを受ける前の価値観としてLGBTという言葉の定義こそ正確に答えられなかったものの、
男性が男性を愛し・女性が女性を好きになり・男性/女性どちらとも付き合える・男性への性転換手術を望む女性が存在することに私はさして違和感はなく、
「なんか大変そうだけどなんか頑張ってほしいよなぁ」
と、対岸の火事的思考でした。
さぁ。
セミナーを受けた後はどのような思考・価値観になったのか。
アウトプットしてみますね。
※セミナーで頂いた資料や登壇者の発信を受け止め、私のフィルターを通して編集・発信しているブログです。LGBT当事者の視点で間違っている表記/表現と感じましたら、お手数ですが弊社サイト問い合わせフォームよりご連絡ください。
誤表記・誤認識の確認次第 すぐに訂正 もしくは削除します。
このセミナーの総括をビジネス視点で捉えるならば、LGBTの方々を受け入れる社会を個人が・企業が整えていかないと観光経済というマーケット市場の観点からも損をするわけなんですね。
快くサービスを受け入れ・楽しんで頂き・また来てもらえるようなホスピタリティを届ければお互いにウィンウィンになれるじゃないですか。
LGBTについて、知ることから始めてみませんか?
そもそもLGBTって何?
LGBTの定義とは
【L】→ レズビアン(女性同性愛者)
【G】→ ゲイ(男性同性愛者)
【B】→バイセクシャル(両性愛者)
【T】→トランスジェンダー( 身体の性と心の性が一致しない人)
こうやって文字に起こしてみるとすんなり理解しやすくなりました。
※LGBTの後に続く【Q】クィア/クェスチョニング(LGBTにも当てはまらないor決めたくない 決められない人々)も近年取り上げられていますが、今回のブログではセミナー内容と少し違いますので割愛させて頂きます。
今回のセミナーで衝撃的だったのは、13人に一人がLGBT該当者である という報告。
実に8.9%の人が当事者であるわけなんですね。
貴方の隣にいる人も該当者である可能性は決して否定できないわけで。
※参照 電通ダイバーシティラボが「LGBT調査2018」を実地
実際、会場内に該当者であろう人物を見かけましたね。
もはやLGBTの方は〝特別な人〟ではないわけです。
50人のコミュニティがあれば4人以上その空間を共有しているわけですから。
想像力を掻き立てれば、カミングアウト出来ずに異性と結婚した(そうせざるをえなかった)同性愛者もいるということですよね。
どのコミュニティにも一定数いるLGBT達は、日常生活をどのような視点で見つめているのでしょうか。
LGBT トランスジェンダーが抱える苦悩とは
セミナー会場にはLGBT当事者である(株)ミライロ 人事部長であり日本ユニバーサル協会講師も務める堀川歩さんが日常生活や旅行観光先での苦悩を淡々と伝えていました。
セミナー開始からパネルディスカッション・参加者との質疑応答コーナーまで終始、声のトーンが必要以上に変わることなくゆっくり語り掛ける言葉一つ一つが聞き取りやすくスーッと心に入ってきましたね。
堀川さん自身は、女性の身体で生まれたものの心は男性というトランスジェンダーです。
周りの友達(女)は異性の誰誰が好き という話で盛り上がっているとき、私が気になるのは女性だった。
こんな事、誰にも言えないと思った
空は青色と決めつけない、灰色もあれば茜色に染まる空もある多様性が大事なんだ。
私は〝男〟でなければならない考えにとらわれすぎていたのかもしれない
それを気づかせてくれた大切な人でしたね
「今度生まれ変わってくれた時は、長男として迎え入れたい」
男性として生きていきたい私の全てを受け入れてくれたんだと涙しました
堀川さんが仰ったLGBTの苦悩はほかにもありました。
LGBTが社会で抱える不安や悩みとは
①意を決してトイレに入れば「貴方は男でしょ、ここじゃないですよ」「あんたオンナだろ? ここじゃないぞ」 多目的トイレに入れば『ここは車いすユーザーが利用するトイレですよ、貴方マナー違反ですよ』
※外出先のトイレに躊躇して排泄障害を患うトランスジェンダーは3割にものぼる
②ホテル・温泉宿で入浴する時(更衣室など)にものすごく躊躇する
③外見で女性と判断され、手渡されたのは女性用の部屋着
④職場・プライベートの人間関係を壊したくないのでカミングアウトしたくてもできない/本当の自分を出せない
⑤意を決してカミングアウトしたら〝勝手に〟職場で・友達に言いふらされていた
※本人の許可なしに周りに漏らしてしまう行為をアウティングといいます
⑥「彼女出来た?彼氏できたの?結婚はまだ?子供もそろそろだね…?」という友人知人・職場の何気ない一言に心を痛めている
⑦お笑い芸人のようなノリで「変態・ホモ・気持ち悪い・そっち系の人・おとこおんな・オネエ・ニューハーフ」と揶揄される。
⑧職場の制服を着たくない
⑨10年付き合っている同性パートナーがいるが、結婚祝い金・家族手当・忌引きなどの会社福利厚生が利用できない(異性愛者を前提としたものだから)
当事者の事例を伺うことで、今まで行っていた振る舞いや言動で誰かを傷つけていた可能性は絶対否定できないんですね、
私もあなたも。
LGBTを社会で受け入れる/歓迎すると何が起こる?
端的に言えば「鬱屈した感情を抱えたまま生活・仕事している彼らに真のフリーを与えれば、労働生産性が向上し、リフレッシュ休暇先で存分に消費を楽しめる」ので、
企業業績アップ・観光経済アップの相乗効果が見込めるという事なんです。
これは、〝そうだろうね、そうあってほしいよね〟というLGBT推進者にとっての願望的観測だろうと思いました。
当然ですね、LGBTの理解が進んでいない現代と歓迎した未来での労働生産性・観光消費額の比較を行っていませんし、行えていませんからね。
LGBT否定派(←あるかどうか知りませんが便宜上)にとっては「きちんとデータを示してから大口叩いてくれよ!?」と薄ら笑いを披露なさるかもしれませんが、
目に見える差別・目に見えない差別をため込んでいる人達の苦悩と不安を取り払って、笑顔になれる環境を整えて仕事に集中してもらっても経済が横ばい・マイナスに転じるって考えられますか?
想像もつかない不安やストレスを抱えた人たちが〝男と女を前提とした社会構造〟という名の刃の鎧を外した時、スーパーサイヤ人くらいのポテンシャルを発揮するのでは?と思ったのですが。
私の考えはカルアミルクくらい甘いでしょうか。
例えばこんな市場が活性化する
- ウェディング市場→異性間だけに開かれたプランにLGBTプランを追加
- 宿泊(ラブホテル含む)市場 →トイレ・入浴・衣類の自由度を上げてLGBTウェルカム
- 飲食市場 →幹事割引・女性限定デーに加え、LGBTハッピープランで客単価増
- アパレル市場 →試着ルーム・接客(使ってはいけない言葉など)に配慮、隠れたニーズを引き出しオリジナルウェア開発
- 介護市場 →労働力不足解消・利用者とのコミュニケーション良好
- 物流市場 →マンパワー不足解消 休眠車両復帰で売り上げ拡大
- 交通市場 →タクシードライバーもLGBT。当事者同士で快適移動空間共有 リピートにつながり売上増
- 通信市場 →家族割にLGBTを加えレインボーデザイン携帯割引適用にて売り上げ増(※ソフトバンクが実証済み こちらから)
- 不動産市場 →LGBT入居を積極的にPR(ウェブサイト発信/ワンポイントサイズのレインボーをあしらうなど)して空き室解消
経済素人評論家がざっと挙げてみてもこんな感じ。
どうです?
思い込みを取っ払えば市場活性化の匂いがしませんか?
LGBTへの配慮は?何から始めればいい?
やはり、当事者の声を聴く・当事者が登壇する講演やイベントに参加することからスタートでしょう。
私自身もこのセミナーに参加した事で無知から理解へと進みましたので。
堀川さんも仰っていましたが、当事者によって求める配慮が違ってくるのでまずは耳を傾ける姿勢が大事とのこと。
企業が取り組む流れはおおまかに分けてこの3つになります。
これは、個人にも当てはまると思っていて、
知る → セミナー/イベント参加で知識を深める・LGBT当事者と触れ合う
変える → 差別用語を使わない LGBTが集う飲食街で遊ぶ
拡げる → 本人許可のもとにSNSブログで発信 イベント参加に協力する
こういう好循環が生まれればいいですね。
企業が・個人がすぐに出来る事
カンタンなのは、LGBTの象徴的デザインでもあるレインボーフラッグやそれにちなんだ商品を受付窓口や目につきやすい所へ示しておくことです。
レインボーフラッグがある = LGBTに理解がある
という意思表示・認識になりますから。
大々的にテキストイラストでのぼりを掲げたり看板表記・チラシ配布でガンガンPRよりも、さりげなく意思表示している所が当事者にとっても気を使わせずに好評なようですよ。
セミナー登壇者でもあり、LGBT当事者の宿泊を積極的に受け入れている(株)パームロイヤル・ホテルパームロイヤル那覇 代表取締役総支配人 :高倉直久さんはこう仰って参加者の笑いを誘っていました。
調べてみました。
ありました(笑)
こんなのも。
トイレの取っ手あたりに貼り付ければいいかもですね。
ちなみに私はレインボーフラッグとステッカーはアマゾンでポチリましたよ(笑)
Whoops! so Amazing!!
サンバのカーニバルとかで更に映えそうですね。
無知は恥なり 無知は罪なり
ここまで偉そうにLGBTについて述べてきましたが、安易にSNSで発信しない事の重要性をお伝えしておきます。
早くも恥をさらして失敗してしまいました。
直感的に受けたいと思ったセミナーは正解でした。
・変えようのない性嗜好に対して理解は直ぐ出来なくても尊重すべき方向へ
・排泄障害を患う程のトイレ問題
・行政/民間サービスを差別なく享受すべき
・観光旅行に投じる金額は1.6倍との試算も#LGBT #レインボーフラッグ pic.twitter.com/d8flrrDLT9
— 花城健 (@gappai2323) 2019年1月22日
初回投稿の一部を訂正します。
性嗜好❎
↓
性的志向⭕
でした。
御詫びします。
申し訳ありませんでした。— 花城健 (@gappai2323) 2019年1月23日
嗜好と志向は意味がまるで違います。
LGBT当事者は好んでそうなったわけじゃなくて、生まれながらにそうであった・成長とともに気づいていくわけですから変えられるものではないんです。
インプットしたことをすぐにアウトプットしたくてツイッター画面で文字を打ち込み中、「あれ…?しこうってどんな感じだったっけ? うーん、、、多分これだな。」
と、安易に投稿したことに一切の弁解の余地はありません。
無知は罪です。
改めて、当事者の方々へこのブログ上でもお詫び申し上げたいと思います。
申し訳ありませんでした。
介護タクシーめぐりとLGBTの関係性は?方針は?価値観は?
振り返ってみれば、過去に沖縄県内をご案内した車いすユーザーの観光客、沖縄県民の障害者もLGBT当事者だった可能性はあるわけです。
全体の8.9%が当事者だという事なのですから。
タクシー車内外のお客様との会話の中で傷つけた言動があったかもしれません。
以上の経緯を踏まえて介護タクシーめぐりは以下の行動を起こします。
- LGBTウェルカムをさりげなくPRするレインボーフラッグをタクシー車内に設置して、ステッカーをバックドアガラスに貼ります。
- 外出先には当事者がいる前提で振る舞い、自尊心を傷つけないよう言動に細心の注意を払います。
- LGBT障害者お客様だからと言って過剰にサービスせず配慮不足にならないよう、他のお客様同様に接客介助を提供します。
- LGBT当事者本人の許可なしにアウティングしません。
- LGBTへの知識見識を深める行動を継続します。
冒頭でも述べたようにLGBTの方に対しては対岸の火事的思考だったのですが、今回のセミナーを受けてみて〝彼らを見下す・差別する・知らない方〟には押しつけがましくならないように知らせたいと思いますし、
変えようもない性的志向の方々にもサービスを隔たり無く届けたいと確信に至りました。
LGBT当事者・障害者の皆様、癒しの島沖縄へいつでもお越しください。
万国津梁の魂を胸に、沖縄県民は世界各国のLGBTを大歓迎します。