先日、総合病院内の地域連携相談室・相談員から下記の介護タクシー依頼がありました。
5分後に、その頼れる相談員さんから折り返しの電話がかかってきました。
といったわけで、転院搬送の予約はすんなり進みました。
相談員さんの機転(お客様目線にたった)の効いた依頼で実に¥2,000もお得に転院搬送が行われたのですが、その¥2,000安くなった根拠とはいったい何でしょうか。
また、介護タクシーを利用するご家族はどのような点に注意を払って、利用日当日までに準備を整えておけば、料金をなるべく安くおさえる事が出来るのでしょうか。
これからお伝えする内容は、同業者からの不満を掻き立てることにもつながりそうですが、視点を変えればこのような事前の段取りと配慮を行ってもらえれば、我々介護タクシー事業者にとっても効率の良い運行が可能になるんですよね。
お客様にとっても料金が安く済んで、事業者側にとっても20~30分の時間短縮が見込めて予約の受け入れ把握が容易になり、運行件数アップ=売上増 となるわけですから。
では早速まいりましょうか。
【配慮1】利用日当日までに車いすをお部屋に準備しておく
搬送依頼までに至るお客様の背景には、下記3つの要素が絡んでいることが多いです。
- 介護施設入所者が体調を崩して救急搬送され、状態がある程度回復してきたため、救急病院からの退院を促された
- 要支援/要介護認定がおりているので、介護保険レンタルの車いすがある
- 長時間(10分以上)の自立歩行に時間がかかり、また、ご本人も歩くのが辛そうな高齢者
こういう方々は、自分の身体状況にフィットした車いすを既に使用中、あるいは、持っていることが多いです。Cの方とかは、タクシー移動が40分以内に済むのであれば、標準型車いす活用で搬送がOKだったりします。
なので、退院/転院の搬送前日か当日お迎え時間までに、車いすを病室orお部屋まで運んでおきましょう。
注意点:その車いすが自家用車に収納できるか
とはいえ、お客様所有の自家用車で車いすを運ぶといっても、
リクライニング車椅子やスタンダード車いすの形状によっては、コンパクトに折り畳めなくて重量が20キロ以上あるので、自家用車内への収納が現実的に不可能なものもあります。


そういった場合にこそ、介護タクシーめぐりを利用してください、すべて解決します(笑)。
【配慮その2】看護師の協力を仰いでみる
例えば病院正面玄関での待ち合わせ時間がAM10:00だとしたなら、看護師に病室ベッドから車いすへの移乗介助をお願いして間に合わせるように工夫するという手もありです。
看護師さんはベッドから車いす・車いすからベッドへの移乗介助は日常茶飯事なので手慣れたものです。そこの労力を要する部分を看護師に対応してもらえたなら、一般の方でも車いすを押して正面玄関口までの移動は簡単です。
病院内は快適すぎるくらいのバリアフリーですからね。
※ただし、看護業界の人材不足の影響で、送迎時間の都合に合わせて対応してもらえないことも十分想定されます。
今回の依頼内容に限って言えば、我々介護タクシー事業者は、下記3つの労力や所要時間の対価として介助料金・機材レンタル料金を頂戴しています。
・患者の身体になるべく負担がかからない車いすを病室まで持ち込む
・病室ベッドから車いすへ移乗介助を安全に行う
・介護タクシー車両までの誘導
記事冒頭でお話しした、初回の見積もりから¥2,000の割安で済んだ理由は、介護タクシー事業者が本来行うべき労力の部分を、ご家族・看護師に事前に対応してもらったからこそ成立するんですね。
あらためて介護タクシー介助料金と機材レンタル料金の対価を振り返る
介助料金・機材レンタル料金を頂く根拠について、私なりの説明を加えるとこうなります。
室内介助 ¥1,000とは
入院/退院に関わる病院内の車いす移動・お客様手荷物運搬・ベッド⇔車いすの移乗介助 の一連の流れを代行して、お客様ご本人・ご家族の移動が快適になるための対価です。
リクライニング車いすレンタル ¥2,000とは
座位を保つことが難しい・疲れを感じた時に寝姿勢にも対応できる機能を備えていることや、クッション付きによる快適性を長期間維持するためのメンテナンスコストも含みます。
ストレッチャー ¥3,000とは
骨折などの理由で寝姿勢を保ったままでなければ、外出や転院/通院が成しえない患者への機能を提供できることや、点滴/酸素ボンベを要する患者にも対応できる設計への対価です。
介護タクシー料金の見積もりで相談員・ケアマネ・ご家族にお伝えしておきたいこと
これらの室内介助や機材レンタル料金設定は、事業者の介助・機材に対する捉え方や価値観によって様々です。
リクライニング車椅子レンタルを¥2,000頂くところもあれば、室内介助料金は頂きませんよ という事業者もいます。ストレッチャーレンタル料金¥4,000頂く事業者もいます。
- 介護タクシービジネスでしっかり利益を得たい事業者
- 食べていけばそれで十分と考える事業者
- とにかく安さでお客様に喜んでもらいたい事業者
など、捉える価値観は様々です。
そういった価値観が反映された事業者の料金設定ですから、利用者にとってわかりづらく、そのわかりづらさが介護タクシー利用のハードルを上げていることは紛れもない事実です。
その面において、大変なご苦労をおかけしますが、その見積もり確認やタクシー依頼する過程の中で、事業者サービスの「質」が垣間見えることもたしかです。
- 見積もり料金の説明根拠は納得がいくか
- スピーディーに見積もり料金の返事をしてくれたか
- 声のトーンや発声は明瞭に聞き取れたか
- 分かりづらかったので再度説明を求めたら電話対応が荒っぽくなったりしないか
良い事業者・良いサービスに出逢うためには少しばかりの手間を頂ければと、改めて申し添えておきたいです。
【それが簡単に出来ないから…】それこそが介護タクシーを利用する価値でもある
お伝えしたアドバイスは転院/退院搬送を検討している方すべてに当てはまるものではなく、配慮その1の「車いすを運ぶ」その行為自体にハードルが高いことが想定されます。
ほとんどの方は車椅子福祉車両タイプの自家用車を所有していませんし、特殊形状で重たい車いすを自家用乗用車に詰め込むたびに腰痛激増しにつながる荒行ですからね。
ただ、このような予備知識を持っていれば¥2,000~¥3,000もお得に介護タクシー利用に繋げる可能性はゼロではないんですね。
ぜひ実践してみてください。
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