介護タクシー事業に使われる車両は、スタンダード車椅子やリクライニング車椅子・ストレッチャーの乗降がストレスなく行えるように専用設計されています。
そんな福祉専用車両(AZR60ノア)を相棒として、介護タクシー事業車両として10年以上共に走り続け、数々の出逢いに恵まれました。
25万キロを走破した旧・介護タクシーめぐり事業車両も、適切な時期のメンテナンスや予防的に整備をすればまだまだ事業車両として頑張ってくれるでしょう。
しかし、経年劣化した外観内観のままでお客様を運行し続けるより、乗り心地を左右する足回りサスペンションの具合や車椅子ユーザーの移動快適性が改善・向上している近年の福祉車両でお客様に移動を提供する方が喜ばれるだろうと判断し、事業車両の買い替えに踏み切ったのです。
NEW介護タクシーめぐり車両がこちらになりました。
2017年の12月26日から、この80ヴォクシーZS車椅子仕様スロープタイプで車椅子ユーザーの乗降・運行開始と相成りました。
その運行中で気になったポイントを、独断と偏見を交えて備忘録的につづってみたいと思います。
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◆メーカー/車種 → トヨタ/80ヴォクシー
◆価格(予算) → 200万円~
◆年式 → 2017年/平成29年以降
80ヴォクシー車椅子福祉車両スロープタイプを運転してみると
その1 燃費が悪い?そんなことはありません
AZR60ノアからZRR80ヴォクシーに乗り換えると、アクセルペダルを踏み込んだ時のタコメーターの反応(レスポンス)と車体加速のギャップに少々戸惑います。
AZR60ノアの運転感覚でペダルを踏みこむと、過剰にガソリンを消費することになります。
つまり、今までの運転スキル(アクセルワーク)を改めなければなりません。
ガソリンを節約するには、「じんわり加速」して「急発進・急加速を避け」ることが基本ですが、80ヴォクシーでは更にその意識を高めなければなりません。
じんわりアクセルペダルを踏みこんでいくと、こちらの体感以上にスピードメータが上昇しており、滑らかに加速していることに気づかされます。
先日にこのようなツイートをしてしまいました。
低燃費車として認定されている80ヴォクシーの体感燃費が優れない事を薄々理解していたが標準装備の燃費測定数値だと7.5キロ(笑)おいおーい、10キロも走らんのかーいf(^_^;
AZR60と同様の走らせ方でこの結果。
近々80ヴォクシー車椅子車両のブログを介護タクシードライバー目線でぶった斬りますので
— 介護タクシーめぐり@花城健 (@gappai2323) 2018年1月4日
これに関して、安易に発言してしまったこと、開発メーカー・スタッフにお詫び申し上げなければなりません。
リッター当たり7.5キロ
と運転席ディスプレイに表示されたその数値も、平成15年式AZR60ノアを10年間乗り回して身体にしみついた荒々しいアクセル/ブレーキングを80ボクシーに用いたことで弾き出された燃費でした。
すんごくわかりやすく言うと、私のアクセルワーク/ブレーキングが下手くそすぎたわけなんです(笑)。
平成26年式ZRR80ヴォクシーでは
- エンジンが生み出すパワー
- そのパワーをなるべく無駄なくタイヤに伝える伝達機関(トランスミッション・ドライブシャフト)
- 空気抵抗を低減するボディ形状
- エンジン音・走行ノイズ(風切り音・タイヤと路面の接触音)低減に貢献している防振・防音ゴム
がブラッシュアップされている為、アクセルペダルを今までのような感覚で踏み込まずとも滑らかに加速していく設計となっているのです。
そこを踏まえた上で、より丁寧なアクセル操作を心がけた所、平均燃費数値が改善されていました。
とはいえ、車検査証でそれぞれの車両重量を確認すると
AZR60ノアで1550㎏
ZRR80ヴォクシーで1660㎏
実に110㎏増量となっています。
- 大人2人分の増量が燃費にどのような影響を与えるのか、
- また、標準装備のアイドリングストップ機構を作動させると本当に燃費が改善されるのか、
- エコモードを設定して更に燃費が向上するのか
- 燃料タンクが60ℓから55ℓに縮小された事で、体感での燃料計の減り具合とリンクしているのか
こちらのブログも参考にしてください。
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※2018年7月追記
上記ブログの要約です↓↓↓
真夏の沖縄でフロント・リヤエアコンフル稼働で、車いすユーザ・付き添い者同乗など市街地 高速走行を兼ねた平均燃費値はリッター当たり10キロ前後です。
トヨタ純正SDナビゲーションの燃費計測システムから算出した数値となります。
その2 電動ウィンチは女性ドライバーとストレッチャー乗降だけでOK
購入車には電動ウィンチが備え付けられていました。
これはオプション料金(¥85,000※メーカーカタログより引用 )を追加すると設定される車椅子ユーザーのタクシー乗降をサポートする装置です。
小柄な女性ドライバーが体格の大きい車椅子ユーザーとストレッチャーを乗降させる時にはとても役立つ装置なのですが、男性乗務員は電動ウィンチはなるべく使わない方がいいです。
なぜなら、60・70系ノア/ボクシーよりも車内低床化を実現できているため、
上半身/下半身にそれほど力を入れなくても、車椅子乗降がスムーズにできるんですよね。
また、タクシー乗務員の使命は、乗客を素早く乗車させて目的地まで運ぶことですから、乗降スピードを1秒でも早く終えることが大事です。
●電動ウィンチの巻き取り機能を使わないで、人力で車椅子乗降を終えるまでにおよそ10秒
●電動ウィンチを巻き取りモードにして、車椅子乗降を終えるまでにおよそ1分10秒
どちらを選ぶかはあなた次第です(笑)
備えあれば憂いなしの、乗務員と乗客の安心を約束するためのに必要なツールだと断言できますね。
車両購入時には、電動ウィンチ機能が備わっているかをしっかり確認しましょう。
車椅子2脚目の固定ベルト/ウィンチ機能の作動もしっかり確認してくださいね。
80ヴォクシー車椅子固定ベルト強度への不安??
旧・介護タクシーめぐり車両 AZR60ノア の車椅子固定ベルトはこちら
対してZRR80改ヴォクシーの車椅子固定ベルトは以下のようになっています。
一目見た時に「乗降中に切れるんじゃないの?」という不安感をいだくような細いベルト幅なんですが(苦笑)。
しかし、その不安も取り越し苦労でした。
所有から3年以上・数百回もの車椅子/ストレッチャー乗降を繰り返してもベルトは切れることなく、毎日しっかりと車椅子乗降を助けてくれています。
クルマも人も、見た目だけで判断しちゃだめということでしょうか(笑)
80ヴォクシー車椅子福祉車両・固定ベルトフックの形状は気になるものの、業務に支障はなし
車椅子フレームの引っかけ場所や、移送中の道路路面凸凹から突き上げる振動によって、固定ベルトフックが外れてしまうんじゃないか?という不安を煽る形状です。
しかし、それも取り越し苦労でした(苦笑)
車椅子/ストレッチャー乗車時に固定ベルトにたるみが出ないよう、指定席位置に移動したら「いったん後ろに引く」動作を行うことにより、ベルトフックはがっちりと固定されます。
- 正しい位置にフックをひっかけて
- 正しい車椅子/ストレッチャー固定操作に基づけば
ベルトフックが移動中に外れることはまずありません。
スロープ耐荷重200キロ制限の枠をもう一つ越えてほしい
ハイエース・レジアスエースのようなリフトタイプの福祉車両は最大300キロの重量を持ち上げる昇降能力と強度を備えていますが、ヴォクシー・ノア・エスクァイアのスロープ耐荷重は最大で200キロです。
電動車いす(重量100㌔~130㌔)ユーザーの乗降となると、本人の体重も含めれば、200㌔に近くなります。
インバウンド観光も視野に入れた介護タクシー運行となると、体格の大きい欧米人障害者を乗降させる際にどうしても強度が気になってしまいます。
200キロ近い車椅子ユーザーを何度も乗降させると、スロープがしなったりするかもしれません(苦笑)。
とはいえ、日本人相手だけならなんの問題もありませんね。
ストレッチャー搬送・特殊型電動車いすユーザー乗降を何度も行ってきましたが、スロープ機能はしっかり働いているので不便はありません。
手荷物積載性とスピーディー乗降性を高めるなら、ぜったいに手動式スロープを選ぶべし
80ヴォクシー車椅子福祉車両には、電動スロープと手動スロープの2種類が設定されていますが、
- スピーディー乗降OK
- 豊富に手荷物積載OK
これらを可能にする「手動式」を選びましょう。
このように、車椅子ユーザーを乗降させた後に補助シートをセットして、なおかつ手荷物を収納するスペースを創り出すことができます。
これを、「スロープ前倒れ機能」と呼びます。
詳しくはトヨタ公式サイトをどうぞ。
ちなみにインバウンド観光客のキャリーバッグを詰めたらこうなりました。
(笑)
まぁ、これは極端な例ですが、
スペースに余裕があればこのような無茶ぶりにも対応できるということなんです。
電動式スロープだと、前倒れ機能が使えません。
しかも、スロープ設置完了までに40秒くらい待たないといけないんですね。
手動式ならササっと引き出して5秒で設置できますからね。
まとめ
いわゆる業務車両のようなダサい外観じゃなくてスタイリッシュでCOOL外観の80ヴォクシー車椅子福祉車両には、
介護タクシー運行をラクにしてくれる機能が満載です。
介護タクシー運行じゃなくても、自家用車としても大きな力を発揮してくれるはずです。
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コツとしては、
◆メーカー/車種 → トヨタ/80ヴォクシー
◆価格(予算) → 200万円~
◆年式 → 2017年/平成29年以降
と入力すれば良質な車両を手に入れることができるはずです。